2011年度 先端技術科学教育部 環境創生工学専攻 生命テクノサイエンスコース 博士後期課程 — [選択]

生体機能工学

Biofunctional Engineering

教授・松木 均

2単位

形態

講義形式とポートフォーリオ形式の併用

目的

細胞の構造形成や機能発現に大きな役割を果たしているのは生体膜である.脂質膜が有する特徴的な物性を中心に講述し,生体膜の構造と機能について解説する.

概要

生体分子の自己会合に関する基本的な事項(水の構造と疎水効果,両親媒性分子の分子集合体特性)を述べた後に,脂質が形成する分子集合体が示す様々な構造的変化(相転移,多形現象,非二重膜構造,ドメイン形成)について講述する.さらに輸送現象,薬物作用機構など生体膜を場として発現する重要な機能について述べる.受講学生によっては,ポートフォリオ形式を併用する.

キーワード

生体膜,脂質,分子集合体,膜構造,膜機能

要件

学部および大学院教育における物理化学および生物物理化学を理解していること.

目標

1.生体膜構成成分の脂質が形成する分子集合体構造とその性質を理解する.
2.生体膜により発現する機能(物質輸送,情報伝達,薬物作用)を理解する.

計画

1.生体膜の構造(1)水の構造と疎水性相互作用
2.生体膜の構造(2)両親媒性物質の自己会合1:単分子膜
3.生体膜の構造(3)両親媒性物質の自己会合2:ミセル
4.生体膜の構造(4)脂質膜の二重膜構造と相転移
5.生体膜の構造(5)脂質膜の安定性と多形現象
6.生体膜の構造(6)脂質膜の非二重膜構造
7.生体膜の構造(7)混合脂質膜とドメイン形成
8.生体膜の構造(8)脂質膜の流動化とダイナミクス
9.生体膜の構造(9)表面電位と膜電位
10.生体膜の機能(1)脂質膜の分子認識
11.生体膜の機能(2)イオン輸送(受動および能動輸送)
12.生体膜の機能(3)イオンチャンネルと神経伝導
13.生体膜の機能(4)薬物作用機構(特異的結合)
14.生体膜の機能(5)薬物作用機構(非特異的結合)
15.生体膜の機能(6)細胞機能とシグナル伝達
16.生体膜と構造と機能に関するレポート作成

評価

課題レポートにより評価する.(100%)

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

授業中に紹介する.

参考資料

授業中に紹介する.

連絡先

松木(化生棟607, 088-656-7513, matsuki@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 金曜日 16:20-17:50

備考

到達目標1は授業計画1-9に,到達目標2は授業計画10-15に関係する.