2011年度 薬学部 薬学科 学士課程 薬学科 — [必修] 2年(前期)

2011年度 薬学部 創製薬科学科 学士課程 創製薬科学科 — [必修] 2年

有機化学実習1

Organic Chemistry Laboratory 1

教授・佐野 茂樹, 助教・中尾 允泰

1単位

形態

実習

目的

有機化学実習1では,各種医薬品の設計・合成や複雑な構造を有する生理活性天然物の構造決定・全合成に不可欠な有機化学実験の基本的操作方法ならびに諸原理の修得を目的とする.

概要

実習は有機化学の講義内容の理解を助け,さらに学問的興味を喚起するためのものであるから,それぞれを独立してとらえるのではなく相補的なものと考え,有機化学の本質を把握するよう努力してもらいたい.はじめに全般的な注意事項や実習内容について解説した後,個々の実習項目に先立ってさらに詳細な実習講義を行う.はじめての有機化学実験であるから,安全面には細心の注意を払う必要がある.実習を行うにあたっては,それぞれの実験操作等の意味を十分に理解し,反応の進行状況を詳細に観察すると同時に十分な考察を加え,疑問点を解決するために進んで教員と討論する積極的な姿勢が要求される.実習テキストには英文での解説が多く取り入れてあり,化学英語と接する格好の機会を与えているので,十分に予習することが必要である.実習終了後に実習レポートの提出と実習試験を実施し,実習内容の理解度を確認する.有機化学実習1は有機化学の基礎実習であり,続いて行なわれる有機化学実習2及び3においてはさらに応用的な内容を学ぶ.

カリキュラム関連

薬学モデル・コアカリキュラムC4(3)(4) に相当

注意

ガイダンスにおいて有機化学実習全般(1∼3)の意義,実習内容,注意事項等について解説した後,実験器具の配布を行う.ただし,実習内容については各項目ごとにさらに詳細な実習講義を行う.有機化学実験にはじめて取り組むのであるから,十分に内容を理解したうえで実習に臨む必要がある.また,実験を安全に行うために保護眼鏡の着用を怠ってはならない.講義だけでは知ることのできない有機化学実験の楽しさを実感してもらいたい.「自ら学ぶ」という積極的な姿勢を期待する.

目標

1.有機化学実習1∼3を通して,下記到達目標を含む有機化学実験の基本的操作方法ならびに諸原理の修得を目指す.
  1. 代表的な官能基の定性試験を実施できる.
  2. 官能基の性質を利用した分離精製を実施できる.
  3. 代表的化合物の部分構造を1H NMR から決定できる.
  4. IR スペクトル上の基本的な官能基の特性吸収を列挙し,帰属することができる.
  5. 基本的な化合物のマススペクトルを解析できる.
  6. 実測値を用いて比旋光度を計算できる.
  7. 代表的な機器分析法を用いて,基本的な化合物の構造決定ができる.
  8. 代表的な官能基を他の官能基に変換できる.
  9. 課題として与えられた化合物の合成法を立案できる.
  10. 課題として与えれらた医薬品を合成できる.
  11. 反応廃液を適切に処理する.
  12. 分子模型,コンピューターソフトなどを用いて化学物質の立体構造を示すことができる.

計画

1.ガイダンス
2.ガラス細工
3.抽出
4.蒸留・濃縮
5.再結晶
6.融点
7.薄層クロマトグラフィー
8.実習試験

評価

実習への取り組み方を重視し,実習レポート,実習試験の結果等を含めて総合的に評価する.

再評価

実施しない.

教科書

初回ガイダンス時にテキストを配布する.
参考書:化学同人編集部 編「実験を安全に行うために」(化学同人)
参考書:化学同人編集部 編「続 実験を安全に行うために」(化学同人)

連絡先

佐野 茂樹
(研究室) 薬学部・分子創薬化学研究室(本館6階東)
(研究室のホームページ) http://web.ph.tokushima-u.ac.jp/mmc.html
(Eメールアドレス) ssano@ph.tokushima-u.ac.jp
(オフィスアワー) 随時
中尾 允泰
(研究室) 薬学部・分子創薬化学研究室(本館6階東)
(研究室のホームページ) http://web.ph.tokushima-u.ac.jp/mmc.html
(Eメールアドレス) mnakao@ph.tokushima-u.ac.jp
(オフィスアワー) 随時