歯科口腔介護学
Oral Health Care for the Elderly and Disabled
形態
講義
一般目標
介護の概念や範囲を理解し,具体的な介護技術を身につける.身体的・精神的な変化に対応できる観察力や対処方法を身につけ,速やかに多職種に連携及び協力できる.さらに,要介護高齢者や障害者に対して口腔保健の立場から関わるために,療養の管理,機能訓練並びに日常生活の支援を行うための基本的な知識,技術を理解する.
授業概要
介護ニーズの複雑化,高度化に伴い利用者のニーズに応える質の高い介護を提供するための技術や知識,介護者として必要な配慮等について演習を交えて教授する.医療処置を要する状態にある人や高齢者等に起こりやすい事故についての知識や予防措置を教授する.要介護高齢者や障害者の口腔の現状について知り,高齢社会における歯科口腔介護(口腔ケア,口腔リハビリテーション)の意義や目的について理解し,関連する法制度やサービスに関する知識を習得する.
授業方法
講義形式(視聴覚教材,プリントを適宜用いる)
授業場所
(3年前期)火曜日2,3時限目,第5会議室
注意事項
歯科口腔介護学の授業では授業計画の「内容」の欄に各講義事項のキーワードを掲載している. ①受講者は各回のキーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔に纏めること. ②受講者は毎回受講後に学習成果を基にキーワードについて再度内容を簡潔に纏めること. また予習時の内容と復習時の内容を比較して学習成果を確認すること. ③試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. ④予習,復習をすることが出席評価に含まれる.
行動目標 (到達目標)
1. | 介護の専門性を理解する. |
2. | 高齢者の生活に必要な介護ニーズについて説明できる. |
3. | 安全で安楽な介護技術を実践できる. |
4. | 介護場面における緊急時の対処方法や医療処置について理解する. |
5. | 高齢者の住環境への配慮ができる. |
6. | 歯科口腔介護の内容の概要,意義及び目的について説明できる. |
7. | 歯科口腔介護に関わる法的・制度的背景について説明できる. |
8. | 歯科口腔介護を必要とする人の実状について説明できる. |
9. | 高齢者や有病高齢者における身体的,精神的特徴について説明できる. |
10. | 歯科口腔介護学に必要な歯科の基礎分野に関する知識を説明できる. |
11. | 摂食・嚥下,構音障害についての概要を説明できる. |
12. | 歯科口腔介護の具体的な内容及び方法について説明できる. |
13. | 口腔ケアの具体的な技術を実践できる. |
14. | 歯科口腔介護で行うリハビリテーションについて説明できる. |
15. | 歯科口腔介護の手順と方法について説明できる. |
16. | 要介護者の置かれている環境に対応した歯科口腔介護について説明できる. |
17. | 歯科口腔介護に必要な器材,薬剤について説明できる. |
18. | 歯科口腔介護が介護予防に果たす役割について説明できる. |
19. | 歯科口腔介護における歯科衛生士の役割について具体的に説明できる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 介護概論 | 介護行為と専門性 | 介護の概念と範囲,介護の理念,介護の対象 | 竹内 | 1 |
2. | 〃 | 〃 | 介護過程の展開 | 〃 | 〃 |
3. | 〃 | 介護技術 | 高齢者の生活ニーズ,自立生活のための支援 | 〃 | 2 |
4. | 〃 | 〃 | 高齢者リハビリテーション(3モデル) | 〃 | 〃 |
5. | 〃 | 〃 | 日常生活で必要な介護技術 | 〃 | 3 |
6. | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 | 〃 |
7. | 〃 | 〃 | 感染症 | 〃 | 〃 |
8. | 〃 | 〃 | 心身の状態の観察点 | 〃 | 〃 |
9. | 〃 | 介護現場での医療 | 介護現場での医療行為について | 〃 | 〃 |
10. | 〃 | 〃 | 緊急時の対応 | 〃 | 4 |
11. | 〃 | 認知症ケア | 認知症の理解 | 〃 | 2,3 |
12. | 〃 | 〃 | ケアの実際 | 〃 | 〃 |
13. | 〃 | 終末期ケア | ターミナル・ホスピス | 〃 | 2,3,4 |
14. | 〃 | 〃 | ケアの実際 | 〃 | 〃 |
15. | 〃 | 住環境 | 高齢者に適した住まい・福祉用具 | 〃 | 5 |
16. | 介護と歯科口腔介護 | 高齢者と介護の必要性,介護と歯科口腔介護 | 超高齢者社会の現状,歯科口腔介護の意義と目的 | 松山 | 6 |
17. | 〃 | 歯科口腔介護に係わる法的・制度的背景 | 国民皆保険,老人保護法,介護保険制度 | 〃 | 7,8 |
18. | 〃 | 歯科口腔介護に必要な基礎知識 | 老化と高齢者の障害,歯科領域における形態・機能の老化,高齢有病者の歯科的特徴と問題点 | 〃 | 9,10 |
19. | 〃 | 〃 | 歯科口腔介護のための解剖学,生理学,摂食・嚥下障害,構音機能障害 | 〃 | 9,10,11 |
20. | 歯科口腔介護の内容と方法 | 歯科口腔介護の内容 | 口腔介護を必要とする人の口腔環境整備のための口腔ケア | 中道 | 12 |
21. | 〃 | 〃 | 口腔機能維持管理のための機能的口腔ケア | 〃 | 〃 |
22. | 〃 | 歯科口腔介護で行うリハビリテーション | 各種リハビリテーション | 松山 | 14 |
23. | 〃 | 歯科口腔介護の手順と方法 | ケアマネジメントの手法 | 中道 | 15 |
24. | 〃 | 歯科口腔介護の実践 | 居宅,医療・保健・福祉種施設における歯科口腔介護 | 〃 | 16 |
25. | 〃 | 歯科口腔介護のための器材,薬剤 | 歯科口腔介護に必要な器材,歯科口腔介護に役立つ薬剤 | 〃 | 17 |
26. | 歯科口腔介護予防 | 高齢者の気道感染症予防 | 気道感染予防と歯科の関わり,気道感染予防の実際 | 松山 | 18 |
27. | 歯科口腔介護技術 | 基礎実習,相互実習 | 麻痺体験と口腔ケアの相互実習 | 松山,中道,竹内 | 13 |
28. | 〃 | 〃 | 口腔環境整備のための口腔ケア | 中道 | 〃 |
29. | 〃 | 〃 | 口腔機能維持管理のための機能的口腔ケア | 〃 | 〃 |
30. | 総括 | 総合討議 | 歯科衛生士が担う歯科口腔介護 | 松山,中道 | 19 |
成績評価の方法
筆記試験を行い.100点満点で60点以上の者を合格とする.
再試験
必要に応じて行う.
教科書,参考書
初めて学ぶ歯科口腔介護 第2版 新井俊二,小椋秀亮 監修 医歯薬出版
新・社会福祉士養成講座13 第2版 高齢者に対する支援と介護保険制度 高齢者福祉論 中央法規出版
参考資料
最新歯科衛生士教本「高齢者歯科」 全国歯科衛生士教育協議会編 医歯薬出版
高齢者歯科ガイドブック 植松宏,稲葉繁,渡辺誠 編 医歯薬出版
実践訪問口腔ケア 鷹江津義矩 監修 クインテッセンス出版
歯科衛生士のための高齢者歯科 渡辺誠,岩久正明 監修 永末書店
脳卒中患者の口腔ケア 植田耕一郎 著 医歯薬出版
WHO:ICF (国際生活分類) 中央法規
口腔ケアハンドブック 菅武雄 著 日本医療企画
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: 火∼木17:00∼18:00/6F口腔保健学科・第2研究室
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