総合医科学
Overview in Medicine
形態
講義
一般目標
歯科衛生士,社会福祉士に必要な臨床医学を総合的に修得するとともに,これらの知識と技術を生かして,チーム医療の中で専門職としての業務を実践できるよう理解を深める.
授業概要
総合医科学は新・社会福祉士養成課程における「人体の構造と機能及び疾病」の教育カリキュラムに沿って構成されている.すなわち生活行動を司る人体の構造と機能,廊下の概念,加齢による精神的,身体的変化,生活機能を低下させる疾病や障害,機能低下を回復させるリハビリテーションについてなど,将来のチーム医療の現場で必要となる医学一般に関する知識を提供する.
授業方法
講義(プリント,プロジェクター等を適宜使用する)
授業場所
金曜2,3時限目 第5講義室
注意事項
総合医科学の授業では授業計画の「内容」の欄に各講義事項のキーワードを掲載している. ①受講者は各回のキーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔に纏めること. ②受講者は毎回受講後に学習成果を基にキーワードについて再度内容を簡潔に纏めること. また予習時の内容と復習時の内容を比較して学習成果を確認すること. ③試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. ④予習,復習をすることが出席評価に含まれる.
行動目標 (到達目標)
1. | 身体と精神の成長・発達,老化を理解する. |
2. | 人体部位の名称を説明できる. |
3. | 国際生活機能分類(ICF)の基本的考え方と概要を理解する. |
4. | 健康の概念を理解する. |
5. | 生活機能を低下させる疾病についてその概要を説明できる. |
6. | 生活機能を低下させる障害についてその概要を説明できる. |
7. | リハビリテーションの概念と範囲を理解する. |
8. | 病院・施設のベッドサイド,在宅で遭遇する医療行為,装置,器具などを理解する. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 人体の成長・発達 | 身体と精神の成長・発達 | 幼年期・成年期・老年期,老化とは,老化に伴う病変(認知症等,褥傷とその対策等) | 竹内 | 1 |
2. | 心身機能と身体構造の概要 | 各器官の名称・構造 | 解剖学総論 | 伊賀 | 2 |
3. | 国際生活機能分類(ICF)の基本的考え方と概要 | ICFの概念 健康の概念 | 国際傷害分類(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)への変遷 心身機能と身体構造,活動,参加の概念,環境因子と個人因子の概念 健康状態と生活機能低下の概念 WHO憲章による健康の定義など | 竹内 | 3 |
4. | 疾病の概要 | 疾病の分類 生活習慣病 | 疾病の分類 生活習慣病とは | 〃 | 4,5 |
5. | 〃 | 循環器系疾患 | 高血圧,動脈硬化,脳血管障害,メタボリックシンドローム | 〃 | 〃 |
6. | 〃 | 〃 | 虚血性心疾患,心不全,不整脈 | 伊賀 | 〃 |
7. | 〃 | 代謝性疾患 | 糖尿病,脂質代謝異常症,肥満,尿酸代謝異常 | 〃 | 〃 |
8. | 〃 | 悪性腫瘍 | 悪性腫瘍とその治療,緩和ケアと告知 | 〃 | 〃 |
9. | 〃 | 感染症 | 感染の種類と原因,疥癬,AIDS,結核,性感染症(STD),風疹,麻疹,予防接種 | 〃 | 〃 |
10. | 〃 | 感染症 | MRSA,腸管出血性大腸炎,SARS,インフルエンザ,食中毒,日和見感染 | 〃 | 4 |
11. | 〃 | 消化器系疾患 | 食道疾患,胃炎・胃潰瘍,急性腹症,腸炎,下痢・便秘症,肛門疾患,消化管腫瘍 | 〃 | 4,5 |
12. | 〃 | 肝・胆道疾患 | ウイルス性肝炎,慢性肝炎,肝腫瘍,肝外胆管疾患 | 〃 | 〃 |
13. | 〃 | 呼吸器系疾患 | 呼吸器系疾患の徴候と検査,閉塞性気道疾患,気管支炎,気管支拡張症,肺炎,肺結核,肺腫瘍 | 〃 | 〃 |
14. | 〃 | 腎・泌尿器系疾患 | 尿失禁,尿路感染症,膀胱炎,尿路結石,糸球体疾患,腎血管性疾患,間質性腎疾患,腎不全,人工透析排尿障害,尿路感染症,神経因性膀胱,前立腺肥大症,前立腺がん | 〃 | 〃 |
15. | 〃 | 血液疾患 | 液疾患の種類(貧血,白血病,血友病,多発性骨髄腫等) | 〃 | 〃 |
16. | 〃 | 神経・精神疾患 | 神経疾患と保健福祉施策,パーキンソン病, | 竹内 | 〃 |
17. | 〃 | 神経・精神疾患 | 筋萎縮性側策硬化症(ALS),小脳変性症,多発性硬化症,筋無力症,介護保険の特定疾病 | 〃 | 〃 |
18. | 〃 | 〃 | 精神障害(統合失調症,気分障害,解離性障害,知的障害等) | 〃 | 〃 |
19. | 〃 | 骨関節・結合組織の疾患 | 骨関節・結合組織の疾患と保健福祉施策,骨粗鬆症, 変形性関節症,関節リウマチ,全身性エリテマトーデス(SLE),多発性筋炎等 | 伊賀 | 〃 |
20. | 〃 | 眼科・耳鼻科疾患 | 角膜疾患,白内障,緑内障,網膜はく離,視覚障害(弱視,色弱,視野狭窄,)外耳道炎,中耳炎,内耳疾患,聴覚障害 | 〃 | 〃 |
21. | 〃 | 先天性疾患 | 先天性疾患の分類,先天異常(先天性心疾患,消化管奇形,腎奇形等),染色体異常症,胎児障害と周産期障害,ダウン症候群 | 〃 | 〃 |
22. | 〃 | 高齢者に多い疾患 | 老年性症候群,廃用症候群,褥瘡,低栄養,浮腫,脱水症,不眠,嚥下障害, 褥瘡とその対策 | 竹内 | 〃 |
23. | 障害の概要 | 障害の概念,定義,種類等 | 視覚障害,聴覚障害,平衡機能障害,肢体不自由, | 〃 | 6 |
24. | 〃 | 障害の概念,定義,種類等 | 内部障害,知的障害,発達障害(自閉症,注意欠陥多動性障害,学習障害,発達性協調運動障害) | 〃 | 〃 |
25. | 〃 | 〃 | 認知症,高次脳機能障害 | 〃 | 〃 |
26. | リハビリテーションの概念と範囲 | リハビリテーションの概念と範囲,対象,方法等 | 精神障害,アルコール依存症,精神疾患の診断,統計マニュアル(DSM-IV),その他 | 〃 | 7 |
27. | 〃 | 〃 | リハビリテーションの概念と範囲,障害評価 | 〃 | 〃 |
28. | 〃 | 〃 | リハビリテーションの諸段階,リハビリテーションにかかわる専門職 | 〃 | 〃 |
29. | 医療と介護の概念 | 医療と介護の概念 | 医療介護とは,保健医療とソーシャルワーカー等 | 〃 | 8 |
30. | 医療用装具 | 各種医療用装具の用途 | 膀胱留置カテーテル,人工肛門,人工透析 ,胃管,胃ろう,IVH,人工肛門 | 伊賀 | 〃 |
成績評価の方法
全講義終了後に筆記試験を行い,総合的な理解度を評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
再試験
必要に応じて行う.
教科書,参考書
人体の構造と機能及び疾病 ミネルヴァ書房 黒田研二/住居広士 編 2009
参考資料
新・社会福祉士養成講座1 人体の構造と機能及び疾病 中央法規出版 2010
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