2011年度 歯学部 歯学科 学士課程 — 5年(前期, 後期)

加齢歯科学

Aging and Geriatric Dentistry

教授・市川 哲雄, 教授・北村 清一郎, 教授・吉本 勝彦, 教授・伊藤 博夫, 教授・松尾 敬志, 教授・永田 俊彦, 教授・北畑 洋, 教授・羽田 勝, 教授・日野出 大輔, 准教授・永尾 寛, 准教授・久保 吉廣, 教授・東 雅之, 助教・本釜 聖子, 肩書不明・横山 正明, 鶴見大学 非常勤講師・森戸 光彦, 佐藤歯科医院 非常勤講師・佐藤 修斎, 非常勤講師・七條 文雄, 宇高耳鼻咽喉科医院 非常勤講師・宇高 二良

1単位

形態

講義

授業目的

高齢者の口腔管理,歯科治療,歯科関連リハビリテーションに必要な基礎的知識を学習する.

授業概要

ヒトの加齢変化を生物学的な見地,心理・行動学の見地,一般医学,および口腔医学の見地から理解するとともに,高齢者の口腔管理,歯科治療,歯科関連リハビリテーションの概要と重要性を認識する.

授業テーマ

加齢学と高齢者歯科医療

授業方法

講義型式 ビデオ,スライドを適宜用いる.

授業場所

(前期)第1講義室 (後期)第2講義室

注意事項

加齢歯科学の授業では第1回目の授業で全講義の内容,キーワードを提示する. ①受講者は毎回受講前に,講義内容,キーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔にまとめること. ②受講者は毎回受講後に,学習成果を基に講義内容,キーワードについて再度内容を簡潔にまとめ,予習時の内容と比較して学習の成果を確認すること. ③試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. ④予習,復習をすることが出席評価に含まれる.

到達目標(<>はコアカリ対応)

1.高齢者のおかれた社会環境を説明できる.<C-2-(2)-5)>
2.ライフステージにおける予防を説明できる.<C-3-(2)-3)>
3.集団レベルの予防と健康管理(地域歯科保健,学校歯科保健,産業歯科保健)を説明できる.<C-3-(2)-4)>
4.主な保健医療統計(人口動態・静態統計,患者調査,医療施設調査,医師・歯科医師・薬剤師調査,歯科疾患実態調査,学校保健統計調査)を説明できる.<C-4-(2)-1)>
5.口腔組織の加齢変化を説明できる.<D-2-(4)-1)>
6.適切な食事指導(栄養指導)を実施できる.<F-1-(6)-2)-4)>
7.嚥下障害を概説できる.<F-2-(5)-8)-2)>
8.言語障害を概説できる.<F-2-(5)-8)-3)>
9.味覚障害を概説できる.<F-2-(5)-8)-4)>
10.老化の身体的,精神的及び心理的特徴を説明できる.<F-2-(6)-2)-1)>
11.高齢者における薬物動態の特長を説明できる.<F-2-(6)-2)-1)>
12.老化に伴う口腔諸組織の構造と機能の変化を説明できる.<F-2-(6)-2)-2)>
13.高齢者の歯科治療の概要を説明できる.<F-2-(6)-2)-2)>
14.高齢者に多く見られる疾患を説明できる.<F-2-(6)-2)-3)>

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.高齢者と加齢歯科学加齢歯科学概論(その1)
加齢歯科学の目的,死の概念・定義,口腔と全身,高齢者の身体的特徴
森戸1,5,10,12,13,14
2. 〃加齢歯科学概論(その2)
1,5,10,12,13,141
3. 〃加齢歯科学概論(その3)
1,5,10,12,13,14
4.高齢者と社会高齢者の社会学的特徴と疫学
高齢者社会の現状,高齢者の全身と口腔の健康,社会保障
伊藤1,2,3,4
5. 〃高齢者の精神医学,心理学,行動学
高齢者の心理・社会的背景,加齢変化と心身相関,高齢者との接し方,精神疾患
羽田1,10,14
6. 〃高齢者の栄養学と口腔保健
高齢者の食生活と栄養,高齢者歯科保健,口腔保健管理,要介護高齢者の歯科保健・医療
日野出1,2,3,4,6
7. 〃訪問歯科診療と福祉との連携,介護保険
訪問歯科診療の現状,連携医療,高齢者医療に関する法律と仕組み,介護予防
佐藤1,2,3,4,6,13,14
8.全身と口腔の加齢変化加齢の生物学的基礎
加齢と老化,老化遺伝子,テロメア
5,10,12
9. 〃加齢の生理学
加齢による生理学的変化
久保
10. 〃加齢と免疫学
胸腺と老化,免疫不全,自己免疫
5,10,12,14
11. 〃加齢と薬物
薬物動態・感受性・薬物相互作用,高齢者の輸液・栄養管理,服用薬剤の副作用
吉本5,10,11,12,14
12. 〃諸器官の加齢変化
諸器官の形態的変化,機能的変化
北村5,10,12
13. 〃身体機能の加齢変化
日常生活動作(ADL)の低下,運動機能の低下,感覚機能の低下
久保9,10
14. 〃口腔領域の加齢変化
口腔領域の形態的変化,機能的変化,歯の喪失に伴う口腔,顎,顔面の変化
本釜5,7,8,9,12
15.高齢者と基礎疾患高齢者に多い疾患とその対応(その1)
危機管理,バイタルサイン,全身疾患を有する高齢者への対応,歯科診療時の全身管理,偶発症,感染予防
北畑7,8,9,10,11,14
16. 〃高齢者に多い疾患とその対応(その2)
高齢者に多い基礎疾患(高血圧,糖尿病,高脂血症,がん,心疾患,脳血管障害,呼吸器疾患,骨粗鬆症,認知症,リウマチなど)
吉本
17. 〃高齢者の口腔に影響を及ぼす疾患
口唇・口腔粘膜に影響を及ぼす疾患,口腔乾燥症
5,12,14
18.高齢者の歯科診療高齢者の診断と治療計画,治療の基礎・基本手技
機能評価と治療方針,治療環境,患者の体位,コミュニケーション,チーム医療
市川1,5,7,8,9,12,13,14
19. 〃高齢者の検体検査とその特徴
高齢者の検体検査値の特徴と治療時の注意
20. 〃保存修復治療
高齢者の齲蝕の特徴と治療,非齲蝕性硬組織疾患の特徴,高齢者の歯の変色・着色
松尾5,12,13
21. 〃歯内・歯周治療
高齢者の歯髄・根尖性歯周組織疾患,歯周疾患の特徴とその治療
永田
22. 〃有床義歯補綴治療
高齢者の補綴治療
永尾
23. 〃固定性補綴治療,顎関節症
高齢者の補綴治療,口腔機能障害の補綴的対応
24. 〃口腔内科,外科的治療
口腔内科治療(口腔粘膜,唾液腺の治療,舌痛症),口腔外科治療
25. 〃高齢者・有病者の口腔ケア
高齢者の口腔の状態,口腔ケアの意義と実際
横山
26.摂食・嚥下リハビリテーション摂食・嚥下障害の基礎と検査法
リハビリテーションの概念
本釜1,7,8,12,14
27. 〃中途障害の病態とリハビリテーションの現状(その1)
脳神経外科から見た脳卒中の現状,中途障害者の現状,リハビリテーションの現状
七條
28. 〃中途障害の病態とリハビリテーションの現状(その2)
29. 〃摂食,嚥下,言語リハビリテーション(その1)
耳鼻咽喉科から見た摂食・嚥下障害,言語障害とリハビリテーション
宇高
30. 〃摂食,嚥下,言語リハビリテーション(その2)

成績評価の方法

加齢歯科学について筆記試験を行い,評価する.
テスト(100点満点)で60点以上を合格とする.出欠席状況も考慮する.

再試験

行う

教科書,プリント,参考書

参考書:渡邉 誠監訳:高齢者歯科学(永末書店)2000

連絡先

市川(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 再生修復医歯学部門·顎口腔再建医学講座·口腔顎顔面補綴学分野教授室, 088-633-7346, ichi@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
林(連絡先未登録)
北村(口腔顎顔面形態学分野教授室, 088-633-7319, kitamura@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 前後期:金曜日 12時∼13時
吉本(088-633-9123, yoshimot@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
伊藤(088-633-7336, itohiro@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (itohiro@dent.tokushima-u.ac.jp/月・水・金16:00∼17:00/5F 予防歯学・教授室/633-7336)
松尾(0886337339, matsuo@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
永田(088-633-7343, nagata@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
北畑(088-633-7366, hiroshi@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
羽田(0886622684, hada@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
日野出(088-633-7543, hinode@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
永尾(口腔顎顔面補綴学, 088-633-9129, kan@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
久保(088-633-9171, kubo@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
東(088-633-7351, azumasa@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
本釜(hongama@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
横山(連絡先未登録)