2011年度 歯学部 歯学科 学士課程 — 4年(後期)

口腔外科学(2)(口腔外科)BC 講義

Oral & Maxillofacial Surgery

教授・宮本 洋二, 准教授・永井 宏和, 講師・藤澤 健司, 講師・玉谷 哲也, 助教・内田 大亮, 助教・宮内 美和, 肩書不明・湯淺 哲也, 助教・大江 剛, 助教・工藤 景子, 助教・髙丸 菜都美

2単位

形態

講義

授業目的

口腔・顎・顔面領域の嚢胞性疾患,腫瘍性疾患,顎関節疾患の病態を理解し,診断並びに治療法を修得する.

授業概要

口腔・顎・顔面領域の嚢胞性疾患,腫瘍性疾患,顎関節疾患の病態,診断に必要な検査とその所見並びに治療法を解説する.

授業テーマ

口腔・頸部を構成する軟部組織,硬組織およびその関連器官の疾病の診断と治療

授業方法

講義形式, プリント,スライド,ビデオを適宜用いる.

授業場所

第4講義室

注意事項

口腔外科学(2)(口腔外科)BCの授業では,講義事項を授業計画の内容欄に「キーワード」として提示する. 1.受講者は各回のキーワードについて事前に予習し,内容を予習帳に簡潔にまとめること. 2.受講者は各回のキーワードについて授業終了後に復習し,内容を復習帳に簡潔にまとめること.また,予習時の内容と復習時の内容を比較して,学習の成果を確認すること. 3.試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. 4.予習帳,復習帳の提出を求めることがある.

到達目標(<>はコアカリ対応)

1.腫瘍の定義を説明できる.<D-4-5)-①>
2.腫瘍の組織発生を説明できる.(発生原因を含む.)<D-4-5)-②>
3.異形成,退形成及び分化を説明できる.<D-4-5)-③>
4.腫瘍の異型性と多形性を説明できる.<D-4-5)-④>
5.良性腫瘍と悪性腫瘍の異同を説明できる.<D-4-5)- >
6.局所における腫瘍の増殖,浸潤及び転移を説明できる.<D-4-5)-⑥>
7.抜歯の適応症と禁忌症を説明できる.(相対的禁忌への対応および小手術の適応症と禁忌を含む.)<F-1-4)-①>
8.小手術の偶発症と合併症を説明できる.<F-1-4)-②>
9.抜歯に必要な器具の用法と基本手技を説明できる.(小手術を含む.)<F-1-4)-③>
10.粘膜の切開,剥離に必要な器具の用法を説明できる.<F-1-4)-④>
11.縫合と止血に必要な器具の用法を説明できる.<F-1-4)-⑤>
12.手指と術野の消毒について説明できる.(器具の滅菌と消毒を含む.)<F-1-4)-⑥>
13.簡単な抜歯ができる.<F-1-4)-⑦>
14.粘膜の切開,剥離ができる.<F-1-4)-⑧>
15.単純縫合,抜糸ができる.<F-1-4)-⑨>
16.埋伏智歯の抜歯法を説明できる.<F-1-4)-⑩>
17.顎関節の構造と機能を説明できる.<F-2-1)-⑤>
18.顎骨に発生する歯原性嚢胞の種類と特徴を列挙できる.<F-2-4)-(3)-①>
19.顎骨に発生する非歯原性嚢胞の種類と特徴を列挙できる.<F-2-4)-(3)-②>
20.口腔・顎顔面領域に発生する嚢胞の一般的な症状,診断法および治療法を概説できる.<F-2-4)-(3)-④>
21.歯原性腫瘍の種類と特徴を列挙できる.<F-2-4)-(3)-⑤>
22.非歯原性良性腫瘍の種類と特徴を列挙できる.<F-2-4)-(3)-⑥>
23.口腔・顎顔面領域に発生する腫瘍の一般的な症状,診断法(組織診,画像診断)および治療法を概説できる.<F-2-4)-(3)-⑦>
24.エナメル上皮腫の特徴,症状および治療法を概説できる.<F-2-4)-(3)-⑧>
25.口腔癌の特徴,予防,症状および治療法を概説できる.<F-2-4)-(3)-⑪>
26.腫瘍類似疾患の種類と特徴を列挙できる.<F-2-4)-(3)-⑫>
27.エプーリスの特徴,症状および治療法を概説できる.<F-2-4)-(3)-⑬>
28.顎関節疾患の種類と特徴を説明できる.<F-2-4)-(4)-①>
29.顎関節疾患(外傷,脱臼,顎関節症,顎関節強直症)を概説できる.<F-2-4)-(4)-②>
30.唾液腺腫瘍の種類と特徴を説明できる.<F-2-4)-(5)-②>
31.デンタルインプラントの種類と特性を説明できる.<F-3-4)-(4)-①>
32.臨床歯学教育

授業計画

項目内容担当到達目標
1.嚢胞・嚢胞類似疾患
嚢胞総論
定義,分類,治療法
宮本18,19,20,21
2-3. 〃
上皮性嚢胞(歯原性嚢胞,炎症性嚢胞),非歯原性嚢胞,嚢胞様病変
原始性嚢胞,含歯性嚢胞,萌出嚢胞,歯肉嚢胞,側方性歯周嚢胞,腺性歯原性嚢胞,歯根嚢胞,歯周嚢胞,鼻口蓋管(切歯管)嚢胞,鼻唇(鼻歯槽)嚢胞,術後性上顎嚢胞,単純性骨嚢胞,脈瘤性骨嚢胞
内田,高丸
4-6.腫瘍·腫瘍類似疾患
口腔腫瘍総論
口腔腫瘍の特徴・分類,良性腫瘍と悪性腫瘍の特徴,扁平上皮癌の一般的特徴,口腔癌の特徴・TNM分類,症状,診断,口腔癌の治療(放射線療法,化学療法)
宮本1,2,3,4,5,6,24,26
7. 〃
口腔癌①
舌癌の特徴・治療,頸部郭清術・放射線療法を含む
24,26
8. 〃
口腔癌②
口底癌・歯肉癌の特徴・治療,頭頸部の再建手術を含む
9. 〃
口腔癌③
頬粘膜癌,口唇癌,硬口蓋癌,上顎洞癌
10. 〃
非上皮性悪性腫瘍
肉腫,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,悪性黒色腫
永井2,24
11. 〃
歯原性腫瘍総論
歯原性腫瘍の定義,2005年のWHOによる歯原性腫瘍分類,治療法
5,22,24,25
12-15. 〃
歯原性腫瘍
エナメル上皮腫,歯原性扁平上皮腫,歯原性石灰化上皮腫,腺様歯原性腫瘍,角化嚢胞性歯原性腫瘍,エナメル上皮歯牙腫,歯牙エナメル上皮線維腫,歯原性線維腫,歯原性粘液腫,セメント芽細胞腫,歯原性癌腫,歯原性肉腫,歯原性癌肉腫,骨関連病変
玉谷,湯浅2,5,22,24,25,27
16-17.腫瘍・腫瘍類似疾患
非歯原性良性腫瘍
乳頭腫,線維腫,粘液腫,黄色腫,血管腫,リンパ管腫,脂肪腫,筋腫,神経系腫瘍,骨腫,Gardner症候群,仮骨性線維腫,軟骨腫,骨軟骨腫,巨細胞腫など
内田,玉谷5,23,24
18. 〃
腫瘍類似疾患
LCH,エプーリス,義歯性線維腫,骨増生,線維性骨異形性症,根尖性セメント質異形成症
玉谷27,28
19-20.唾液腺疾患
唾液腺腫瘍
病態,診断,治療法(外科的療法,放射線治療,化学療法)
永井24,31
21-23.手術各論
口腔外科小手術
抜歯術,口腔外科小手術,歯の移植・再植術,軟組織損傷に対する治療,口腔上顎洞瘻閉鎖術
宮内,大江7,8,9,10,11,12,13,14,15,16
24.デンタルインプラント
人工歯根
藤澤32
25.手術各論
顎骨・軟組織再建
骨移植術,骨延長術,皮膚・粘膜移植,有茎皮弁,遊離皮弁
宮本27
26.顎関節疾患
顎関節疾患総論
顎関節の構造,顎関節疾患の診断
藤澤29,30
27-29. 〃
顎関節症(分類,症状,診断,治療など),顎関節の発育異常,炎症,腫瘍および類似疾患,顎関節の外傷,顎関節強直症
30.口腔外科学(2)(口腔外科)BCの総括
国家試験対応および解説
国家試験問題を解いてみよう
宮本33

成績評価の方法

評価は筆記試験により行い, 試験は4年次後期試験期間中に実施する. 100点満点で60点以上のものを合格とする.口腔外科学(2)(口腔外科)の単位は口腔外科学(2)(口腔外科)A講義,口腔外科学(2)(口腔外科)BC講義の全科目の成績を総合評価して認定する.

再試験

1回のみ行う.

教科書,プリント,参考書

塩田重利,富田喜内監修:最新口腔外科学,医歯薬出版,第4版,1999年

白砂兼光・古郷幹彦編:口腔外科学,医歯薬出版,第3版,2010年

道 健一,他編:口腔顎顔面外科学,医歯薬出版,初版,2000年

石川梧朗監修:口腔病理学,永末書店,第2版,1989年

連絡先

宮本(口腔疾患制御外科学, 088-633-7353, miyamoto@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水17:00∼18:00/4F口腔外科・教授室
永井(088-633-7354, hnagai@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月17:00∼18:00/4F口腔外科・助講室
藤澤(088-633-7352, fujisawa@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 火・水17:00∼18:00/4F口腔外科・助講室
玉谷(088-633-7354, ttama@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 月・金17:00∼18:00/4F口腔外科・助講室