2011年度 歯学部 口腔保健学科 学士課程 — [必修] 1年(後期), 2年(前期)

口腔解剖学

Oral & Maxillofacial Anatomy

教授・羽地 達次, 教授・松山 美和, 講師・吉田 賀弥, 教授・松山 美和, 助教・岡村 裕彦, 助教・中島 義基

形態

講義

一般目標

個々の歯の形態と機能を理解し,鑑別する能力を養う.
顎顔面口腔領域の正常な構造と機能,その発生過程と相互関係を理解する.

授業概要

ヒトの歯の一般的な形態を理解し,切歯,犬歯,小臼歯,大臼歯へと移行するとき,それぞれの歯の形がどのように変化していくかを教授する.また歯と口腔およびその周辺の解剖学的構造を示し,それらの組織がどのような細胞と組織から成り立ち,お互いにどのように関連して機能しているかを教授する.

授業方法

講義形式(視聴覚教材,プリントなどを適宜用いる.)

授業場所

(1年次後期)木曜3時限目 第2講義室, 金曜1時限目 第7講義室,(2年次)木曜3時限目 第2講義室

行動目標 (到達目標)

1.歯の構造と機能を説明できる.
2.歯種を鑑別できる.
3.咬合の定義を説明できる.
4.口唇と頬,口腔前庭,口蓋,口腔底の構造を説明できる.
5.舌の構造と機能を説明できる.
6.咽頭・喉頭の構造を説明できる.
7.嚥下・吸引・嘔吐反射のしくみを説明できる.
8.頭頚部の主な骨の形態を説明できる.
9.鼻腔・副鼻腔の形態とそれぞれの交通を説明できる.
10.顎関節の構造と機能を説明できる.
11.頭頚部の主な筋の形態とその機能を説明できる.
12.頭頚部の脈管系の走行・分布を説明できる.
13.頭頚部の神経系の走行・分布を説明できる.
14.個体発生と器官発生を概説できる.
15.味覚器の構造と機能を説明できる.
16.歯の発生・発育と歯の交換の過程を説明できる.
17.歯の硬組織の構造と機能を説明できる.
18.歯髄の構造と機能を説明できる.
19.歯周組織の発生,構造および機能を説明できる.
20.皮膚と粘膜の基本構造と機能を説明できる.
21.口腔粘膜の特徴を説明できる.
22.舌の構造と機能を説明できる.
23.唾液腺の構造と機能を説明できる.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.歯牙解剖学総論 (1)歯の進化と比較解剖学
角質歯,皮歯,真歯
羽地1
2.歯牙解剖学総論 (2)歯の解剖学概論
歯の外形,内景,歯の固定,歯牙記号,歯式,方向用語
2
3.永久歯 (1)切歯 (1)
上顎中切歯,上顎側切歯
1, 2
4.永久歯 (2)切歯 (2)
下顎中切歯,下顎側切歯
5.永久歯 (3)犬歯
上顎犬歯,下顎犬歯,上・下顎犬歯の比較
6.永久歯 (4)小臼歯 (1)
上顎第1小臼歯,上顎第2小臼歯,上顎小臼歯の比較
7.永久歯 (5)小臼歯 (2)
下顎第1小臼歯,下顎第2小臼歯,下顎小臼歯の比較
8.永久歯 (6)大臼歯 (1)
上顎大臼歯,大臼歯の形態の推移
9.永久歯 (7)大臼歯 (2)
下顎大臼歯,大臼歯の形態の推移
10.歯の鑑別歯の鑑別法
歯種の鑑別,上下の鑑別,同一歯群内の順位の鑑別,左右の鑑別
2
11.乳歯総論乳歯の特性
永久歯との相違,乳歯の原始性
吉田賀1, 2
12.乳歯各論乳臼歯
上顎乳臼歯,下顎乳臼歯
13.歯群歯群の位置関係
上顎・下顎歯の位置関係,隣接歯間の位置関係,植立方向
14.歯の異常成因,形態,位置及び萌出時期の異常
復古形と未来形,歯数及び大きさの異常,異常結節
羽地1, 3
15.咬合正常咬合,異常咬合
咬合の定義,異常咬合の種類,早期・晩期萌出
松山
16.口腔の構造口腔の表面構造
口腔とは,口腔前庭,固有口腔
吉田賀4
17.舌の構造
舌筋,舌の動脈・静脈,舌の支配神経
5
18.咽頭・喉頭 (1)咽頭・喉頭の区分・構造
咽頭・喉頭の区分・構造
6
19.咽頭・喉頭 (2)咽頭・喉頭の機能
嚥下のしくみ
7
20.頭頸部の骨脳頭蓋
脳頭蓋を構成する骨
8
21. 〃顔面頭蓋
上顎骨,口蓋骨
22. 〃 〃
下顎骨,舌骨
23.鼻腔と副鼻腔鼻腔・副鼻腔の構造と交通
鼻腔・蝶形骨洞・前頭洞・篩骨蜂巣・上顎洞
9
24.顎関節顎関節の特徴・構造
骨部,軟骨部,関節円板,関節包,顎関節の靭帯
松山10
25.頭頚部の筋表情筋,咀嚼筋
表情筋,咀嚼筋,咀嚼機能,咀嚼効率
吉田賀11
26. 〃前頸筋,舌骨上筋,舌骨下筋
前頸筋,舌骨上筋,舌骨下筋
27.頭頚部の脈管外頸動脈
外頸動脈の枝,分布
12
28. 〃内頸静脈,頭頸部のリンパ系
内頸静脈の枝,分布,頭頸部にあるリンパ節
29.頭頚部の神経三叉神経,顔面神経
三叉神経・顔面神経の枝,分布
13
30. 〃舌咽神経,迷走神経,舌下神経
舌咽神経・迷走神経・舌下神経の枝,分布
31-32.総論,エナメル質エナメル質の特性,組織学的構造
エナメル小柱,レッチウス条,ハンター・シュレーゲル条,エナメル叢,エナメル葉,エナメル紡錘
羽地17
33.象牙質象牙質の特性,組織学的構造,象牙質の成長線
象牙細管,原生象牙質,第二象牙質,修復象牙質,象牙質の石灰化,エブネル線
34.セメント質セメント質の特性,組織学的構造
無細胞セメント質,有細胞セメント質
35.歯髄歯髄の特性,組織学的構造
象牙芽細胞,歯髄細胞,歯冠歯髄表層の構造,血管と神経,象牙粒
18
36.顔面と口腔の発生顔面組織の起源
一次口蓋,二次口蓋,顔面裂
14
37-38.歯の発生と成長発生の諸段階
歯堤,蕾状期歯胚,帽状期歯胚,鐘状期歯胚
16
39.歯周組織 (1)歯根膜の特性,組織学的構造
シャーピー線維,歯根膜細胞,脈管神経隙
19
40.歯周組織 (2)歯槽骨の特性
骨芽細胞,破骨細胞,束状骨,層板骨,支持歯槽骨,歯の生理的移動
41.口腔粘膜 (1)被覆粘膜
口唇,軟口蓋
20, 21
42.口腔粘膜 (2)咀嚼粘膜
硬口蓋,歯肉
43.口腔粘膜 (3)特殊粘膜
舌乳頭,味蕾,エブネル腺
吉田賀15, 21, 22
44.口腔粘膜 (4)扁桃
舌扁桃,口蓋扁桃
21
45.唾液腺大唾液腺,小唾液腺
耳下腺,顎下腺,舌下腺
23

成績評価の方法

2年次前期の講義終了後に口腔解剖学と口腔生理学の筆記試験を行い,それぞれを合計して100点満点で60点以上の者を合格とする.

再試験

行う

教科書,参考書

歯の解剖学 第22版,藤田恒太郎原著,桐野忠大,山下靖雄改訂,金原出版,2002

カラーアトラス口腔組織発生学 第2版 川崎堅三他編,わかば出版,2004

最新歯科衛生士教本「歯・口腔の構造と機能 口腔解剖学・口腔組織発生学・口腔生理学」第2版 全国歯科衛生士教育協議会編,医歯薬出版,2011

連絡先

羽地 達次 (tat-hane@dent.tokushima-u.ac.jp/4F口腔組織学・教授室/ 633-7321)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
吉田 賀弥 (kaya@dent.tokushima-u.ac.jp/5F口腔保健学科・第3研究室/633-7898)
オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
岡村 裕彦 (okamura@dent.tokushima-u.ac.jp/4F口腔組織学・研究室/ 633-7322)
中島 義基 (tat-hane@dent.tokushima-u.ac.jp/4F口腔組織学・研究室/ 633-7322)

備考

1.1∼15回: 1年次後期木曜3時限目(歯学科と共通授業)
2.16∼30回: 1年次後期金曜1時限目
3.31∼45回: 2年次前期木曜3時限目(歯学科と共通授業)