2011年度 歯学部 口腔保健学科 学士課程 — [必修] 2年(後期), 3年(前期)

外科系歯科学

Oral & Maxillofacial Surgery

教授・伊賀 弘起

2単位

形態

講義

一般目標

顎・口腔領域に発現する様々な病変や疾患に関する知識を身につけ,それらの疾患を対象とした診療の中における歯科衛生士の役割と患者とのかかわりを理解することを目的とする.

授業概要

口腔領域に見られる多様な口腔外科疾患の診断と治療の概要について学ぶ.

授業方法

講義(視聴覚教材,プリントを適宜使用する.)

授業場所

(2年次後期)月曜日 3時限目 第6講義室,(3年次前期)月曜日 1時限目 第5講義室

注意事項

外科系歯科学の授業では授業計画の「内容」の欄に各講義事項のキーワードを掲載している. ①受講者は各回のキーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔に纏めること. ②受講者は毎回受講後に学習成果を基にキーワードについて再度内容を簡潔に纏めること. また予習時の内容と復習時の内容を比較して学習成果を確認すること. ③試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. ④予習,復習をすることが出席評価に含まれる.

行動目標 (到達目標)

1.歯科医療における口腔外科の位置づけ,扱う疾患,並びに歯科衛生士の役割を説明できる.
2.口腔領域に見られる先天的・後天的異常の病態,治療法を説明できる.
3.口腔領域に生じる外傷や創傷の病態と治療法の概要を説明できる.
4.口腔粘膜に見られる水疱,びらん,潰瘍,白板等の病態と治療法の概要を説明できる.
5.歯周病に続発する膿瘍や顎骨骨髄炎の病態と治療法の概要を説明できる.
6.顎関節脱臼や関節骨折,顎強直症の病態と治療法の概要を説明できる.
7.口腔領域に生じる嚢胞の分類,病態と治療法の概要を説明できる.
8.口腔領域に生じる良性,悪性の腫瘍の病態と治療法の概要を説明できる.
9.唾液腺に生じる炎症,腫瘍,自己免疫疾患,機能障害の病態と治療法の概要を説明できる.
10.口腔・顎・顔面領域に生じる神経疾患の病態と治療法の概要を説明できる.
11.貧血,白血病,血友病等の病態としか治療上での問題点,対処法を説明できる.
12.高血圧症,糖尿病,心疾患等の内科系疾患を有する患者に対する歯科治療上の問題点の概要を説明できる.
13.滅菌法,消毒法,標準予防策等の概要を説明できる.
14.消炎手術および抜歯の適応と禁忌,器材の準備等の概要を説明できる.
15.口腔外科小手術の適応と禁忌,器材の準備,その介助の概要を説明できる
16.口腔インプラントの適応と禁忌,器材の準備,その介助の概要を説明できる
17.止血法の種類,縫合の目的と種類を説明できる

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.口腔外科の概要口腔外科とは
口腔外科領域の主な疾患
伊賀1
2.口腔外科領域の疾患先天・後天性異常,変形
歯の異常,小帯野異常,舌の異常等
2
3. 〃 〃
唇・顎・口蓋裂,変形症
4. 〃損傷および機能障害
軟組織の損傷,歯の打撲・脱臼・破折
3
5. 〃外傷
顎骨骨折
6. 〃口腔粘膜疾患
水疱形成・紅斑・びらん・潰瘍・色素沈着を主徴とする疾患
4
7. 〃 〃
白斑・萎縮・乾燥を主徴とする疾患,前癌病変等
8.口腔外科領域化膿性炎症疾患
智歯周囲炎,歯周膿瘍,歯槽膿瘍
5
9.口腔外科領域の疾患 〃
顎骨骨髄炎,蜂窩識炎等,内歯瘻,外歯瘻,ビスフォスフォネート関連顎骨壊死(BRONJ)
10. 〃顎関節疾患
顎関節の外傷,脱臼,腫瘍等
6
11. 〃 〃
顎関節症
12. 〃口腔領域の嚢胞
骨内の嚢胞,軟組織の嚢胞
7
13. 〃口腔領域の腫瘍
歯原性腫瘍,非歯原性良性腫瘍等
8
14. 〃 〃
癌,肉腫等の悪性腫瘍
15. 〃 〃
TNM分類,病期分類
16. 〃唾液腺疾患
唾液腺の炎症,唾石症
9
17. 〃 〃
口腔乾燥症,唾液腺腫瘍
18. 〃口腔領域の神経疾患
知覚神経と運動神経,神経痛
10
19. 〃 〃
神経麻痺,神経痙攣等
20. 〃血液疾患
貧血,白血病等
11
21. 〃 〃
血友病等の出血性素因,止血法
22.口腔外科診療口腔外科診療の実際
口腔外科治療の流れ,診察と診断
12
23. 〃 〃
臨床検査 ,内科系疾患への対応 等
24. 〃滅菌・消毒の意義
滅菌法,消毒法,無菌的取り扱い
13
25. 〃院内感染防止
標準予防策等
26. 〃口腔外科小手術の実際
消炎手術,抜歯術等
14
27. 〃 〃
囊胞摘出術,歯根端切除術
15
28. 〃 〃
良性腫瘍摘出術,歯槽骨整形術,小帯切除術
29. 〃 〃
口腔インプラント手術
16
30.口腔外科小手術の実際 止血と縫合
止血法と止血薬,縫合の目的と種類,縫合の準備
17

成績評価の方法

筆記試験を2年次後期終了後と3年次前期終了後の2回行い,両者を総合して評価する.100点満点で60点以上のものを合格とする.

再試験

行う.

教科書,参考書

最新歯科衛生士教本 「顎・口腔粘膜疾患 口腔外科学・歯科麻酔」全国歯科衛生士教育協議会編集 医歯薬出版

プリント:必要に応じてプリントを配付する.

参考資料

「宮崎正 口腔外科学・第3版」白砂・古郷編集 2008年(医歯薬出版)

連絡先

伊賀 弘起(iga@dent.tokushima-u.ac.jp/5F口腔保健学科・教授室/633-7963)
オフィスアワー: 月∼金 16:00-18:00

備考

1∼15回: 2年次後期 月曜日3時限目 16∼30回:3年次前期 月曜1時限目