2011年度 歯学部 歯学科 学士課程 — 4年(前期)

歯科補綴学(1)B 講義

Removable Prosthodontics

教授・市川 哲雄, 教授・羽田 勝, 助教・岡 謙次, 助教・柏原 稔也, 助教・渡邉 恵

1単位

形態

講義

授業目的

歯列の一部欠損に対する補綴修復の意義と方法,高齢者の身体的,精神的及び心理的特徴および口腔健康管理の重要性を理解する.

授業概要

欠損補綴が困難で,歯の欠損が患者にとっていかに不幸なことであるか,歯と口腔,顎の機能の大切さを認識し,義歯による補綴処置の診査,診断,治療,ケアについて理解する.さらに,有床義歯学の観点から高齢者歯科医療について理解する.

授業テーマ

部分無歯顎者の治療と高齢者歯科医療

キーワード

部分床義歯,高齢者の補綴治療

授業方法

講義型式 ビデオ,スライドを適宜用いる.一部,学生発表形式を用いる.

授業場所

第4講義室

注意事項

歯科補綴学(1)Bの授業では第1回目の授業で全講義の内容,キーワードを提示する. ①受講者は毎回受講前に,講義内容,キーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔にまとめること. ②受講者は毎回受講後に,学習成果を基に講義内容,キーワードについて再度内容を簡潔にまとめ,予習時の内容と比較して学習の成果を確認すること. ③試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. ④予習,復習をすることが出席評価に含まれる.

到達目標(<>はコアカリ対応)

1.可撤性義歯の目的と意義及び具備条件を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-1)>
2.可撤性義歯の種類と適応症を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-4)>
3.可撤性義歯の支持機構,把持機構及び維持機構を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-5)>
4.可撤性義歯の咬合様式とその意義を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-6)>
5.可撤性義歯の構成要素を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-7)>
6.咬合採得する下顎位と咬合採得法を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-8)>
7.下顎運動の記録法を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-9)>
8.可撤性義歯の製作に必要な材料の特性を説明でき,各基本的操作を適切に行うことができる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-10)>
9.可撤性義歯の製作過程における基本的手技ができる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-11)>
10.可撤性義歯の設計原理を理解し,口腔内診察・検査,診断模型及びエックス線写真等により適切に設計を行うことができる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-12)>
11.可撤性義歯装着後における定期検診の重要性を説明し,指導できる.<F-2-(4)-2)-⑥-可撤性義歯-14)>
12.高齢者に多く見られる疾患を説明できる.<F-2-(6)-2)-3)>
13.顎関節疾患の種類と特徴を説明できる.<F-2-(5)-4)-1)>
14.顎関節疾患(外傷,脱臼,顎関節症,顎関節強直症)を概説できる.<F-2-(5)-4)-2)>
15.心身相関を説明できる.<F-2-(6)-4)-1)>
16.心身症を説明できる.<F-2-(6)-4)-2)>
17.口腔・頭蓋・顎顔面領域の心因性の痛みを説明できる.<F-2-(6)-4)-3)>
18.心理テストを説明できる.<F-2-(6)-4)-4)>
19.デンタルインプラントの種類と特性を説明できる.<F-2-(4)-2)-⑥-デンタルインプラント-1)>

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.部分床義歯学概説
部分無歯顎者の病態,部分床義歯の概要,機能的要件
市川1-3,5,10,12
2. 〃 〃
部分床義歯の構成要素,分類,支持機構,レスト
3,5
3. 〃維持装置
維持装置
3
4. 〃 〃
維持装置,アタッチメント
5. 〃連結装置
連結装置,義歯床,金属床(メタルフレームワーク)
6. 〃診査診断
診査,診断,治療計画,前処置
10
7. 〃設計
設計総論
8. 〃 〃
設計,各論
9. 〃印象採得
印象採得(アルタード印象含む),咬合採得
3,6,7
10. 〃人工歯排列
人工歯排列,咬合
4,8
11. 〃試適,装着
歯肉形成,試適,重合
渡邉8,9,11
12. 〃 〃
調整,装着,術後管理
柏原
13.顎関節症,歯科心身症総論
顎関節症,歯科心身症
羽田13-18
14.義歯治療の材料材料
補綴材料(ティッシュコンディショニング,金属,埋没材,レジンなど,軟質裏装材含む)
8
15.インプラント総論
インプラント概論,各論(補綴前外科処置を含む)
市川19

成績評価の方法

部分床義歯学について筆記試験を行い,評価する.
テスト(100点満点)で60点以上を合格とする.出欠席状況も考慮する.

再試験

行う

教科書,プリント,参考書

参考書:標準パーシャルデンチャー 第2版,医学書院,1998

参考書:歯学生のパーシャルデンチャー 第1版,医歯薬出版,1999

参考書:小部分床義歯学 第1版,学建書院,1995

参考書:McCracken's Removable Partial Prosthodontics 9th ed. Mosby Co,1997

連絡先

市川(徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 再生修復医歯学部門·顎口腔再建医学講座·口腔顎顔面補綴学分野教授室, 088-633-7346, ichi@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月∼金17:00∼18:00)
羽田(0886622684, hada@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (月∼金17:00∼18:00/6F口腔保健学科・第1研究室/633-9171)
岡(088-633-7347, koka@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: (火∼金17:00∼18:00/2F1補綴・第3研究室)
柏原(toshiya@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
渡邉(megushi@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)