発達系歯科学
Pediatric Dentistry & Orthodontics
形態
講義
一般目標
小児の心身の成長・発達をふまえ,発達期口腔保健の意義および口腔疾患の特徴,予防ならびに治療法を理解する.
また,顎ロ腔機能の発達過程および不正咬合との関連を理解し,顎口腔機能の育成および個性正常咬合獲得をロ腔保健の立場から支援するための知識を修得する.
授業概要
胎児期から成人前までの全身および口腔の正常像,疾病とその予防,治療法ならびに口腔の健康管理,顎骨,歯列及び咬合の成長発育,不正咬合の診断と治療法に関する講義を行う.発達期における歯科的な知識を全身との関連の基に理解することで,口腔保健教育を行う上での基礎的知識を習得することも目標の一つとする.
授業方法
講義形式 スライド,プリントを適宜用いる.
授業場所
(2年次後期)木曜2時限目 第6講義室,(3年次前期)火曜4時限目 第5講義室
注意事項
当該科目の授業においては15回の講義の予習あるいは復習に努めること.具体的には,①次回の講義内容のレジュメを配布した場合は,その中の空白部分に適する語句を,教科書・参考書等を調べて予め埋めておくこと.②予めレジュメを配布しない場合は,「授業計画」中の「内容」に記している語句について,教科書・参考書等を用いて調べた上,1枚程度の予習レポートを作成しておくこと.③講義中に小テストを行った場合は,教員による解説の内容をまとめるなどしつつ復習し,1枚程度の復習レポートを作成しておくこと.④ 上記の②および③については,その提出を求めることがある.また,提出されたレポートの内容が成績評価に反映される場合がある.⑤試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う.
行動目標 (到達目標)
1. | 矯正治療および小児歯科治療の目的・意義を説明できる. |
2. | 人体諸器官の形態と機能の成長・発達変化を説明できる. |
3. | 顎・顔面頭蓋・歯列咬合の成長・発育過程を説明できる. |
4. | 歯の萌出と乳歯・幼若永久歯の特徴を説明できる. |
5. | 出生から青少年期までの心身の成長・発達を説明できる. |
6. | 正常な歯列咬合の状態を説明できる. |
7. | 不正咬合の種類とその影響を説明できる. |
8. | 不正咬合の診断に必要な資料・情報について説明できる. |
9. | 不正咬合の診断・治療法を概説できる. |
10. | 矯正治療に必要な力学および矯正治療によって起こる生体の反応を列挙できる. |
11. | 咬合誘導の概念,保隙装置の目的と種類,適応症を説明できる. |
12. | 歯科矯正器材と装置の種類・取り扱い方を概説できる. |
13. | 歯科診療時の小児の心理や行動の特徴ならびに歯科的対応法について説明できる. |
14. | 小児期の口腔疾患とその診査,診断および治療法を説明できる. |
15. | 小児歯科診療および矯正治療における偶発症について説明できる. |
16. | 矯正治療および小児歯科診療における歯科衛生士の役割を説明できる. |
17. | 小児の長期口腔保健管理を説明できる. |
18. | 小児期および青少年期に特有な心身の問題とその解決策を概説できる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 総論 | 総説 | 矯正歯科治療および小児歯科医療の目的・意義 | 尾崎 | 1 |
2. | 〃 | 発育概論 | 頭蓋の構成要素,発育期の分類,発育の評価法,精神運動発達 | 三留 | 2 |
3. | 〃 | 〃 | 成長発育曲線,顎・顔面・頭蓋の成長発育,歯・歯列の成長発育 | 〃 | 3,4 |
4. | 〃 | 〃 | 摂食嚥下機能の発達,情動発達,社会性の発達 | 尾崎 | 5 |
5. | 〃 | 咬合 | 正常咬合,不正咬合の種類・原因,不正咬合の予防 | 〃 | 6,7 |
6. | 各論 | 口腔習癖および軟組織の異常 | 口腔習癖の種類と頻度,口腔習癖の不正咬合・咀嚼・発音・嚥下への影響,筋機能療法 | 堀内 | 7,8 |
7. | 〃 | 矯正診断 | 診断のための診査と情報の収集,症例分析法,治療方針の立て方 | 田中 | 8 |
8. | 〃 | 診療計画 | 診査・検査,診断,患者・保護者への教育 | 〃 | 9 |
9. | 〃 | 矯正治療における生体反応と生力学 | 矯正力,歯の移動・組織反応,歯の移動様式,固定 | 尾崎 | 10 |
10. | 〃 | 咬合誘導 | 咬合誘導の考え方(意義,目的,歯列および咬合の診査と診断) | 三留 | 11 |
11. | 〃 | 〃 | 保隙装置,動的咬合誘導法(装置の種類と適応症) | 〃 | 〃 |
12. | 〃 | 歯科矯正治療の使用器材と矯正装置 | 矯正用器材・材料の種類とその取り扱い | 尾崎 | 12 |
13. | 〃 | 〃 | 矯正装置の種類,保定 | 〃 | 〃 |
14. | 〃 | 歯科矯正治療の実際1 | 乳歯列期および混合歯列期の歯科矯正治療,矯正治療における抜歯 | 堀内 | 7-9,12 |
15. | 〃 | 歯科矯正治療の実際2 | 永久歯列期および成人の歯科矯正治療(外科矯正,補綴前矯正,矯正治療の展望) | 田中 | 〃 |
16. | 〃 | 歯科矯正治療の実際3 | 歯科矯正治療(歯周病患者,MTM) | 尾崎 | 〃 |
17. | 〃 | 小児患者の歯科診療 | 小児への歯科的対応法(一般的対応法,行動変容法,抑制法,鎮静・減痛法など) | 〃 | 13 |
18. | 〃 | 〃 | 小児の口腔管理計画(診察と診断,診療計画,患者教育) | 〃 | 14 |
19. | 〃 | 小児の口腔疾患 | 乳歯う蝕の特微・罹患率,幼若永久歯う蝕の特徴 | 〃 | 4,14 |
20. | 〃 | 〃 | 歯周疾患,外傷,軟組織疾患 | 〃 | 14 |
21. | 〃 | 小児の歯冠修復・歯内治療 | ラバーダム防温法,シーラント,成形充填,鋳造修復,全部歯冠修復 | 〃 | 〃 |
22. | 〃 | 〃 | 局所麻酔,覆髄法,生活歯髄切断法,抜髄法,感染根管治療 | 〃 | 〃 |
23. | 〃 | 乳歯・幼若永久歯への外傷 | 外傷歯の診査,硬組織・歯髄・歯周組織の損傷への対応,固定法,乳歯外傷の後継永久歯への影響 | 〃 | 〃 |
24. | 〃 | 小児歯科での外科的処置 | 抜歯,小手術,薬物療法 | 〃 | 〃 |
25. | 〃 | 歯科治療上注意すべき小児疾患 | 遺伝,染色体異常,感染症,循環器疾患他 | 〃 | 2-5,14 |
26. | 〃 | 小児歯科治療,歯科矯正治療における偶発症 | 矯正治療,小児歯科診療における偶発症の種類,処置および予防 | 〃 | 15 |
27. | 〃 | 歯科衛生士の役割 | 矯正治療および小児歯科診療における歯科衛生士の役割 | 藤原 | 16 |
28. | 〃 | 口腔健康管理 | 定期健康診断,乳幼児口腔保健,学校歯科保健 | 尾崎 | 17 |
29. | 〃 | 青少年期の問題点と解決策 | 青少年を取り巻く環境と抱える問題,解決策,社会における青少年の問題,小児の虐待 | 三留 | 18 |
30. | まとめ | 総括 | 尾崎 | 1,7-9,14,16 |
成績評価の方法
筆記試験を2年次後期終了後と3年次前期終了後の2回行い,両者を総合して評価する. 評価は100点満点で60点以上を合格とする.
再試験
必要に応じて行う.
教科書,参考書
新歯科衛生士教本 歯科矯正学 第1版,全国歯科衛生士教育協議会編,医歯薬出版,1993
最新歯科衛生士教本 小児歯科 第1版,医歯薬出版,2009
参考資料
歯科矯正学 第4版,医歯薬出版,2001
歯科矯正マニュアル,第4版,南山堂,2006
歯科臨床と診療補助シリーズ7 歯科矯正学と診療補助,第1版,クインテッセンス出版,2001
歯科衛生士教育マニュアル 歯科矯正学,第1版,クインテッセンス出版,1985
小児歯科学 第1版,医歯薬出版,2007
小児歯科患者の臨床的対応 初版,クインテッセンス社,2001
歯科臨床と診療補助シリーズ6 小児歯科学と診療補助,初版,クインテッセンス出版,2001
歯科衛生士教育マニュアル 新編 小児歯科学,第1版,クインテッセンス出版,1997
器材準備マニュアル,第3版,全国歯科衛生士教育協議会編,(財)口腔保健協会,2006
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: 月水金18:00∼19:00
- オフィスアワー: 月火木金17:00∼18:00
- オフィスアワー: 月∼金17:00∼18:00
- オフィスアワー: 月火木金17:00∼18:00
- オフィスアワー: 月水金17:00∼18:00
備考
1. | 1∼15回:2年次後期:木曜2時限目 |
2. | 16∼30回:3年次前期:火曜4時限目 |