細菌学A・B 講義
Microbiology
形態
講義
授業目的
微生物の種類と特性を理解する.感染と生体の防御機構を理解する.防御の補助手段としての滅菌,消毒及び化学療法を理解する.
授業概要
口腔領域および全身の感染症の病態,原因となる微生物,治療法および予防法,さらに感染症に対する人の防御機構である免疫系などについて学ぶ科目である.これを学ぶことにより感染症の基礎的な知識,理論を身につける.病原微生物は大きく分けて,細菌,真菌,原虫およびウイルスがある.それらの構造,増殖,生理,病原性について学び,それらをもとに診断法,治療法,予防法に関する基本的な理論を学ぶ.また,微生物遺伝,消毒と滅菌,化学療法などについても学ぶ.
授業テーマ
病原微生物について理解する.
キーワード
微生物,感染症,化学療法,滅菌と消毒,免疫
授業方法
講義により行う.各講義においてレジュメを配布しそれに従って講義を行う.
授業場所
第2講義室
注意事項
細菌学A・Bの15回の授業における講義事項を,授業計画の内容欄に「キーワード」として提示する.1.受講者は各回のキーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔にまとめること. 2.受講者は毎回授業後に学習成果を基にキーワードについて再度内容を簡潔にまとめること.また,予習時の内容と復習時の内容を比較して,学習の成果を確認すること. 3.試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. 4.予習,復習をすることが出席の評価に含まれる.
到達目標(<>はコアカリ対応)
1. | 微生物学,病原微生物学の概要,学ぶことに意義を理解する. | |
2. | 細菌,真菌,ウイルス及び寄生虫の形態学的特徴と生理学的性状を説明できる. | <D-3-1)感染-1)> |
3. | 細菌,真菌,ウイルス及び寄生虫の遺伝子について説明できる. | |
4. | 細菌,真菌,ウイルス及び寄生虫のヒトに対する感染成立機序とこれらの微生物がヒトに対して示す病原性を説明できる. | <D-3-1)感染-2)> |
5. | 清潔と不潔の区分及び滅菌と消毒の意義,原理及び代表的な方法を説明できる. | <D-3-1)感染-3> |
6. | 化学療法の目的,原理及び作用機序を説明できる. | <D-3-1)感染-4> |
7. | 自然免疫と獲得免疫の異同を説明できる. | <D-3-2)免疫-1> |
8. | 細胞性免疫と体液性免疫の異同を説明できる. | <D-3-2)免疫-2> |
9. | リンパ性組織とリンパ性器官を説明できる. | <D-3-2)免疫-3> |
10. | 免疫担当細胞の種類と働きを説明できる. | <D-3-2)免疫-3> |
11. | 免疫寛容を説明できる. | <D-3-2)免疫-4> |
12. | アレルギーの分類を説明できる. | <D-3-2)免疫-5> |
13. | 免疫・アレルギー疾患の種類と発症機序を説明できる. | <D-3-2)免疫-6> |
14. | ワクチンの種類と問題点を説明できる. | <D-3-2)免疫-7> |
15. | 免疫疾患について説明できる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 序論 | 微生物学とは | 微生物学で何を学ぶか,なぜ学ぶか | 三宅 | 1 |
2. | 〃 | 感染症とは | 感染症とは何か,歯科との関わり | 〃 | 〃 |
3. | 〃 | 微生物とは | 微生物の種類,特徴,性状 | 〃 | 〃 |
4. | 細菌学総論 | 細菌の構造 | 細胞膜,細胞壁,細胞質,メソソーム,リボソーム等 | 〃 | 2 |
5. | 〃 | 〃 | 核酸,鞭毛,線毛,莢膜,芽胞等 | 〃 | 〃 |
6. | 〃 | 微生物遺伝 | 核酸の構造,複製,機能 | 村上 | 3 |
7. | 〃 | 〃 | 突然変異 | 〃 | 〃 |
8. | 〃 | 〃 | 形質転換,接合,形質導入,分子遺伝等 | 〃 | 〃 |
9. | 〃 | 〃 | ファージの構造,種類,複製,機能等 | 〃 | 〃 |
10. | 〃 | 代謝 | 増殖様式,栄養と発育条件 | 三宅 | 2 |
11. | 〃 | 〃 | 物質輸送,エネルギー獲得機構 | 〃 | 〃 |
12. | 〃 | 〃 | 菌体成分生合成 | 〃 | 〃 |
13. | 〃 | 感染 | 宿主寄生体関係 | 〃 | 4 |
14. | 〃 | 〃 | 寄生体側因子 | 〃 | 〃 |
15. | 〃 | 〃 | 宿主側因子,感染の成立,治療法,予防法 | 〃 | 〃 |
16. | 〃 | 毒素 | 毒素の種類,構造 | 櫻井 | 〃 |
17. | 〃 | 〃 | 毒素の作用機序 | 〃 | 〃 |
18. | 〃 | 化学療法 | 化学療法とは,選択毒性,作用機序 | 三宅 | 6 |
19. | 〃 | 〃 | 各種薬剤,使用法,問題点 | 〃 | 〃 |
20. | 〃 | 消毒と滅菌 | 滅菌の意義,原理と方法 | 〃 | 5 |
21. | 〃 | 〃 | 消毒の意義,原理と方法 | 〃 | 〃 |
22. | 免疫学 | イントロダクション | 免疫とは,生体防御とは | 弘田 | 7 |
23. | 〃 | 免疫の種類 | 自然免疫とは,獲得免疫とは, | 〃 | 〃 |
24. | 〃 | 免疫応答 | 免疫の成立,免疫担当細胞 | 〃 | 9,10 |
25. | 〃 | 〃 | 抗原,抗体,補体,抗原抗体反応 | 〃 | 8 |
26. | 〃 | 〃 | 細胞性免疫とは | 〃 | 〃 |
27. | 〃 | 〃 | 免疫の調節 | 〃 | 11,14 |
28. | 〃 | アレルギー | アレルギーの分類 | 〃 | 12 |
29. | 〃 | 〃 | アレルギーの発症機序 | 〃 | 13 |
30. | 〃 | 免疫疾患 | 自己免疫疾患,免疫不全 | 〃 | 15 |
成績評価の方法
筆答試験により行う.試験は2年次後期試験期間中に行う.100点満点で60点以上を合格とする.
再試験
原則として1回行う.
教科書,プリント,参考書
教科書:特に教科書は指定しないが,自分の使いやすいものを参考にすることを勧める.
プリント:レジュメを配布しそれに従って講義を行う.必要に応じて参考資料を配付する.
参考書:Medical Microbiology (G.F. Brooks, J.S. Butel, S.A. Morse eds., Lange/McGraw-Hill)
参考書:微生物学(森良一他編集,医学書院)
参考書:医系免疫学(矢田純一著,中外医学社)
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