基礎医学(1) / 人体解剖学
教授・福井 義浩
目的
1. 人体の構造と機能の基本を理解する. 2. 体性神経と自律神経の走行・分布を生理機能と関連付けて学習,理解する. 3. 卵の受精からヒトの誕生までを形態学的変化を中心に学習,理解する. 4. 中枢神経内部の神経線維の連絡および機能を理解する.
概要
人体解剖学総論:各器官系の基本的な構造と機能を学習し,系統解剖実習に必要な基礎知識を修得する. 末梢神経学:体性神経および自律神経の走行と分布,および機能を学習する. 発生学:卵の受精からヒトの誕生までの形態学的変化およびその異常について学習する.中枢神経学:中枢神経系の構造を理解し,さらに神経線維連絡と機能を学習する.
授業方法
講義:板書,プリント,スライド
その他:コンピュータソフトウエアを利用しての演習
目標
1. | 人体の基本的な構造と機能の説明ができる. |
2. | 脊髄神経,脳神経の走行,末梢分布,働きを説明できる. |
3. | 自律神経の走行,末梢分布,働きを説明できる. |
4. | 正常発生の過程を説明できる. |
5. | 先天異常(奇形)の発現機序を説明できる. |
6. | 中枢神経系の神経線維連絡およびその機能を述べることができる. |
計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 |
---|---|---|---|
1-2. | 人体解剖学入門 | 循環器系 | 心臓,血管系,リンパ系 |
3-4. | 〃 | 呼吸器系 | 気道,肺 |
5-6. | 〃 | 消化器系 | 口腔,咽頭,食道,胃,十二指腸,空腸,回腸,盲腸,結腸,直腸,肛門,肝臓,胆嚢,膵臓 |
7-8. | 〃 | 泌尿器・生殖器系 | 腎臓,尿管,膀胱,尿道,男性生殖器,女性生殖器 |
9-10. | 〃 | 神経系 | 中枢神経系(脳,脊髄),末梢神経系(脳神経,脊髄神経),自律神経系の概要 |
11-12. | 〃 | 運動器 | 骨・骨格筋 |
13-14. | 〃 | 感覚器 | 視覚系,嗅覚系,聴覚系,平衡覚系,味覚系,一般知覚 |
15-16. | 末梢神経学 | 総論 | 神経系の分類 ,末梢神経系の概要 |
17-20. | 〃 | 体性神経系 | 脊髄神経(頚・胸・腰・仙骨神経,神経叢),脳神経(嗅,視,動眼,滑車,三叉,外転,顔面,内耳,舌咽,迷走,副,舌下神経) |
21-22. | 〃 | 自律神経系 | 交感神経,副交感神経 |
23-24. | 発生学 | 受精前,胚子,胎児と胎盤 | 精子・卵子発生,生殖細胞の移動,受胎,胚子期,胎児期,胎盤,臍帯,羊膜,卵黄嚢 |
25-26. | 〃 | 鰓弓器官・呼吸器,消化器 | 鰓弓,咽頭嚢,顔面・口蓋の発生,口蓋裂,喉頭・気管と肺の発生,前腸,中腸,後腸,消化器の奇形 |
27. | 〃 | 泌尿生殖器 | 前腎・中腎・後腎,卵巣と精巣の発生,生殖管の発生 |
28-29. | 〃 | 循環器 | 心臓の発生,心奇形,鰓弓動脈,胎児循環 |
30-31. | 〃 | 神経系・感覚器 | 末梢神経と中枢神経の発生,中枢神経系の奇形,眼・耳の発生,歯の発生 |
32. | 〃 | 先天異常 | 遺伝因子と環境因子 |
33-34. | 中枢神経学 | 総論 | 中枢神経系の分類,ニューロンとシナプス,脳の機能 |
35-36. | 〃 | 大脳・脳室 | 大脳の表面,脳の血管系(動脈と静脈系),脳脊髄液,脈絡叢,髄膜,大脳皮質,大脳核の構造と機能,交連,連合,投射線維,大脳辺縁系,海馬体,脳室の発生,脳室壁 |
37-38. | 〃 | 間脳・脳幹 | 視床,視床下部の構造と機能,中脳,橋,延髄の構造 |
39-40. | 〃 | 小脳 | 小脳皮質の細胞構築,小脳核,小脳脚 |
41-42. | 〃 | 脊髄 | 頚,胸,腰,仙髄の構造,脊髄の血管,上行性・下行性神経路 |
評価
1. 人体解剖学入門試験(筆記), 2.末梢神経学試験(筆記), 3. 発生学試験(筆記), 4.中枢神経学試験(筆記)
教科書
ムーア臨床解剖学(メディカルサイエンスインターナショナル), トートラ解剖学(丸善),Gray's Anatomy (Churchill Livingstone),プロメテウス解剖学コアアトラス(医学書院),ラーセン最新発生学・学生版(西村書店),ラングマン人体発生学(メディカルサイエンスインターナショナル),イラスト解剖学(中外医学社),解剖実習の手引き(南山堂),カーペンターCORE TEXT神経解剖学(廣川書店),神経解剖学(朝倉書店)
連絡先
福井 義浩 (633-7052) kinouk@basic.med.tokushima-u.ac.jp
- オフィスアワー: 月∼金 12:00∼16:00(ただし,事前にアポイントメントを取ること)
備考
1. | 担当者は他に竹内義喜教授(香川大),前田憲彦教授(広島大),大谷浩教授(島根大),澤田和彦教授(つくば国際大)である. |
2. | 平成22年4月~12月 |