近現代社会特論
教授・石田 三千雄
2単位
目的
現代の地域社会が,近現代社会としてどのような歴史的位置づけをもち,またグローバル化とどう関連しているかを学ぶ.その上で,現代の地域社会が抱える文化・経済・福祉・環境等に関わる諸問題を,思想的・倫理的な面から,特に応用倫理学の立場から理解する力を養う.
概要
近現代社会としての地域社会の歴史的位置づけ,グローバル化による社会の変容,地域社会を理解する背景としての環境思想・環境倫理を含む応用倫理的問題を考察する.授業前半は講義とし,後半は講義で身につけた知識を踏まえ,L.ジープの『応用倫理学』(丸善)を読みながらディスカッションも行う.倫理学の自然科学および文化的世界像との関係,社会秩序と自然秩序,自然倫理と社会倫理等について考え,現代の持続可能な地域社会のあり方,およびそこに生きる人間の価値観の形成について考える.
キーワード
近代社会,グローバル化,環境,倫理
目標
1. | 現代の地域社会が,近現代社会としてどのような歴史的位置づけをもち,またグローバル化とどう関連しているかを学ぶ.環境思想・環境倫理を含む応用倫理学に立脚して,現代の地域社会が持続可能な社会であるためにわれわれに何が要求されるかを考える幅広い視点を身につけることを目指す. |
計画
1. | 授業全体の説明 |
2. | 西欧における市民社会の概念 |
3. | グローバルな市民社会としての現代社会 |
4. | 持続可能な社会としての現代社会をどう考えるか |
5. | コミニュニティを考える |
6. | 善き社会への道 |
7. | L.ジープの具体倫理学の概要 |
8. | 倫理学の対象 |
9. | 価値と評価 |
10. | 倫理学の自然科学および文化的世界像への関係 |
11. | 自然評価の諸類型 |
12. | 社会秩序と自然秩序 |
13. | 自然倫理および文化倫理としての具体倫理学 |
14. | 文化の概念と実在性 |
15. | 授業全体のまとめ |
評価
授業で取り扱った事柄をどのように理解したかを見るために,レポートを課し,それと授業での取り組みの姿勢や発言を考慮して単位を認定する.
再評価
しない
教科書
なし
参考資料
マイケル・ウォルツァー,石田・越智他『グローバルな市民社会に向かって』日本経済評論社,2001年.広井良典『コミニュニティを問いなおす』ちくま新書,2009年.広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター訳『ジープ応用倫理学』丸善,2007年.
連絡先
石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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