地域言語特論B
教授・仙波 光明
2単位
目的
1. 語彙の研究課題には,どのような領域があるか,その全体像が把握できる. 2. 語彙の研究課題発見に,どのようなアプローチがあるか把握する. 3. 語彙研究の適切な方法を理解し,各自の課題を獲得する.
概要
主として語彙の体系的分析と史的研究を中心的な課題として,基礎を見直しつつ,そのより高度な研究方法を講義する.語構成,語彙の体系,意味及び意味の変化等が重点項目になる.文献資料とフィールド調査とを総合的に検討しながら,地域言語を日本語の歴史や全国的視野の中で捉える態度を育てる.また,地域文化の特徴を捉え,広く地域に貢献できる方策を考えるといった視点も意識し,関連の諸領域への目配りを促す.
目標
1. | 語彙研究の適切な方法を理解し,各自の課題を獲得する. |
計画
1. | 言語の単位の取り出し方 |
2. | 「単語」の性質 |
3. | 語構成のパターン |
4. | 語構成の分析と語源追究の方法(阪倉,堀井などを参考に) |
5. | 語構成の分析と語源追究の方法(「おびゆ→おぶける」等,方言語彙を例に) |
6. | 語彙の体系(さまざまなとらえ方) |
7. | 類義語 |
8. | 対義語 |
9. | あらためて意味とは何か |
10. | 意味の変化(語誌のケーススタディ 「やさし」「かなし」等) |
11. | 意味の変化(語誌のケーススタディ 身体語彙等を素材として) |
12. | 語形の変化と意味の変化(語誌のケーススタディ 「芝生」,「あはれ/あっぱれ」等) |
13. | 語形の変化と意味の変化(語誌のケーススタディ 「おまえ」「おめえ」等) |
14. | 語形の変化と意味の変化(語誌のケーススタディ 「にんげん」と「じんかん」(人間)) |
15. | 語形の変化と意味の変化(語誌のケーススタディ 「うんくゎ」と「おんわ(温和)」等) |
評価
語彙史・語誌(方言語彙を含む)・語彙の体系等に関する論文(レポート)提出.
再評価
論文の再提出.
教科書
なし.
参考資料
『講座日本語の語彙語彙』(明治書院),『国語語彙史の研究』(和泉書院)など.
備考
受講生の構成・学習歴を見て,授業内容を変更する場合があります.