2011年度 総合科学教育部 臨床心理学専攻 博士前期課程 — [選択] 1年(前期), 2年(前期)

知覚心理学特論

教授・濱田 治良

2単位

目的

心理学的研究成果を通して,パターン認知における幾何学的対称性がパターンの良さ・複雑さ・類似性とどの様に関連しているかについて,変換不変性や変換可能性の概念に基づいて理解することを目的とする.

概要

具体的には今井の変換構造説を説明し,その理論を発展的に構成し直した変換群構造説について考察する.その際,本人等が作成した亀甲模様や反復模様についても論じ,人間のパターン認知の機序が数学における群論によって表現することができることを論ずる.

注意

積極的な受講を希望する.

目標

1.人間の知覚情報処理過程の機序について理解する.

計画

1.パターンの間の変換構造の認知と類似性の評定
2.良さ判断におよぼすパターン内変換構造の効果
3.パターン認知における個人差
4.パターンの良さと複雑さの判断におよぼすパターン内変換構造とラン数の効果
5.パターンの良さについての諸学説
6.亀甲模様の構造と複雑さおよび良さ判断
7.パターンの複雑さと良さにおける対称変換群の効果
8.反復模様の対称性と複雑さ判断
9.反復模様の対称性と良さ判断
10.反復模様の対称性と類似性判断
11.白黒複合的パターンにおける複雑さと良さ判断
12.楕円パターンの認知の順序を予測するハッセ図
13.パターンの類似性判断に関する変換群構造説
14.パターンの良さ判断に関する変換群構造説
15.複合的パターンによる良さ判断に対する減算効果の検討

評価

出席状況,授業への取り組み等の平常点で評価する.

参考資料

参考資料として論文を配布する.

連絡先

濱田(3S02, 088-656-7195, hamada@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜日·12時∼13時,3号館3S02,hamada@ias.tokushima-u.ac.jp

備考

隔年開講 H23年度開講