2011年度 総合科学教育部 地域科学専攻 博士前期課程 地域創生分野 — [選択] 1年(前期), 2年(前期)

福祉社会特論B

教授・上野 加代子

2単位

目的

「再生産労働のグローバル化」について理解を深める.

概要

少子高齢化,女性の就労,共働き世帯の増加などで生じた経済先進諸国での「ケア・クライシス」を解決するにはいくつかの方法が考えられる.本講義では,それらの方法を比較検討し,そのなかでも主に各家庭が経済発展が遅れた国から安い賃金の女性労働者や「花嫁」を調達するアジア家族福祉レジームをシンガポールなどを例にみていく.そして,そのシステムの中で国境を越えて働く女性たちの生活の一部を紹介したい.

目標

1.グローバル・ケア・マイグレーションについて理解を深めることができる
2.本講義で議論する「ケア・クライシス」をグローバル化社会に生きる自分たちの問題として捉えることができるようになる.

計画

1.オリエンテーション ― 再生産労働のグローバル化
2.国際労働移動の諸要因
3.アジア家族福祉レジーム
4.外国人家事・ケア労働者としての生活
5.底辺労働者の抵抗のストラティジー
6.家事・ケア労働者のアイデンティティのマネージメント
7. 〃
8.NGOで作られるヒロインたち
9.トランスナショナルなライフコース
10.日本での外国人研修生・実習生制度
11.結婚での国際移動
12.インドネシア・フィリピンからの外国人介護士・看護士
13.アディクション
14.愛とケアの南北問題
15.まとめ

評価

毎回のリアクションペーパーと学期末のレポートで評価

再評価

参考資料

初回授業で参考文献リストを配布