口腔保健増進学概論
Introduction to Oral Health Promotion
目的
食・咀嚼の観点から歯・口腔の健康を増進し,また,歯・口腔の機能回復を阻害する因子を取り除くことにより,個人及び地域を対象とした健康増進をはかる基礎的な理論と手段・手法について,理解することを目的とする.テーマ:健康の維持・増進における口腔保健学の果たす役割と現状の理解
概要
口腔保健増進の立場から様々な自然・社会・環境因子に注目し,保健医療・福祉全般にわたる地域の現状について,トピックスや最新の動向を多くの研究報告に基づく理論に交えて講義する.また,口腔保健領域で用いられる疫学研究手法や具体的な統計解析手法について教授する.さらに,食べること(摂食・嚥下)を含めた口腔機能の維持・向上を図るために必要な解剖・生理・病理・栄養学的基礎知識を教授する.また,摂食嚥下機能の評価法,指導訓練法や,高齢者・障害者に認められる摂食・嚥下障害に係わる要因を説明する.栄養学の立場から,ヒトの健康維持や食育,疾病予防に関わる食品機能成分について講義することにより,健康増進に向けた食品機能成分応用の基礎知識を修得させる.看護学の立場から,看護の役割として口腔保健の捉え方を概説する.また,治療過程にある患者に対する口腔ケアについて教授し,チーム医療の在り方について検討する.歯科衛生士として歯科臨床で遭遇する歯・口腔疾患について,その発症メカニズムに関する知識を修得し,これに対する最新の歯科衛生診断や,口腔の健康増進を支援する具体的手法について理解を深めることができるよう教授する. これらの授業はオムニバス形式にて行う. 更に,高齢者に対する口腔保健活動を体験し,口腔保健増進の必要性に関する理解を深める.
計画
1. | 口腔保健増進学の概要:口腔保健と自然・社会・環境因子 | (担当者: 日野出) |
2. | 口腔保健増進学の概要:口腔保健と医療・福祉社会全般にわたる地域の現状 | (担当者: 〃) |
3. | 口腔保健増進学に関するトピックスと最新の動向 | (担当者: 〃) |
4. | 口腔保健増進学の疫学研究手法 | (担当者: 〃) |
5. | 口腔保健増進学の統計解析手法 | (担当者: 〃) |
6. | 食べること(摂食・嚥下)を理解するための解剖・生理・病理・栄養学的基礎知識1 | (担当者: 羽田) |
7. | 食べること(摂食・嚥下)を理解するための解剖・生理・病理・栄養学的基礎知識2 | (担当者: 〃) |
8. | 高齢者・障害者に認められる摂食・嚥下障害 | (担当者: 〃) |
9. | 口腔機能の維持・向上を図るための摂食嚥下機能の評価法と指導訓練法 | (担当者: 〃) |
10. | ヒトの健康維持や食育,疾病予防に関わる食品機能成分 | (担当者: 中屋) |
11. | 健康増進に向けた食品機能成分応用の基礎知識 | (担当者: 〃) |
12. | 看護援助と口腔保健 | (担当者: 雄西) |
13. | 治療過程にある患者に対する口腔ケア | (担当者: 〃) |
14. | 歯科衛生士として歯科臨床で遭遇する歯・口腔疾患とその発症メカニズム | (担当者: 日野出,星野) |
15. | 歯科衛生士として,最新の歯科衛生診断と口腔の健康増進を支援する具体的手法 | (担当者: 日野出,中道) |
評価
成績評価は,試験(50%),レポート(50%)を総合的に評価して行う.100点をもって満点とし,A(80点以上),B(70点以上),C(60点以上)を合格,D(60点未満)を不合格とする.
教科書
教科書は使用しない.視聴覚素材あるいはレジュメを適宜用いる.
参考資料
予防医学のストラテジー―生活習慣病対策と健康増進,曽田研二/田中平三監訳,医学書院,1998年
「健康格差社会」何が心と健康を蝕むのか,近藤克則著,医学書院,2005年
検証「健康格差社会」介護予防に向けた社会疫学的大規模調査,近藤克則編集,医学書院,2007年
連絡先
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