2011年度 総合科学部 人間文化学科 国際文化コース 学士課程 — [選択] 2年(前期)

日本文学講読Ⅰ

准教授・堤 和博

2単位

目的

kore からの人生を送っていくなかで,種々多様な文学作品に接することは,色々な面において有意義なものとなるはずである.しかし,日本古典文学を読むとすると,言葉が現代語と違うのは勿論のこと,何かと取り付きにくいものである.そこで,日本古典文学史上の重要な作品の一つである『蜻蛉日記』をテーマとし,古典文学作品読解の基本を身につけることを目標とする.『蜻蛉日記』は日本文学史上重要な作品なので,日本文学史も視野に入れた読解となる.

概要

文学作品の読解とは表面上の意味を読み取る(古典で言えば単に現代語訳する)だけではすまされないのは勿論である.作品の成立した過程やその時代の状況などを考慮に入れながら,作者が真に訴えたかったことを慎重に読み取っていかなくてはならない.藤原道綱母の作である『蜻蛉日記』は,夫兼家との不如意な結婚生活を赤裸々に綴った作品と言われる.それはそれで間違いではないのであるが,『蜻蛉日記』という作品にはそのような言葉では説明しきれないような様々な要素・性質も含まれている.そのようなものは,いかなる考察過程を経れば導き出せるのか,文学史も視野に入れた講読を通して解説していく.

キーワード

日本文学史,平安時代,蜻蛉日記

目標

1.日本古典文学を文学史上に位置づけて読解し,それをレポートにする.

計画

1.『蜻蛉日記』成立頃までの日本史概観(1)―奈良時代―
2.『蜻蛉日記』成立頃までの日本史概観(2)―平安時代―
3.『蜻蛉日記』の日本文学史上における位置(1)―物語文学との関連―
4.『蜻蛉日記』の日本文学史上における位置(2)―和歌物語文学との関連―
5.『蜻蛉日記』講読(1)―序文―
6.『蜻蛉日記』講読(2)―兼家からの求婚の記事―
7.『蜻蛉日記』講読(3)―兼家からの贈歌に返歌しない頃から返歌する頃―
8.『蜻蛉日記』講読(4)―新枕から結婚成立の後朝の贈答歌―
9.『蜻蛉日記』講読(5)―道綱母から贈歌する頃―
10.『蜻蛉日記』講読(6)―父倫寧との離別―
11.『蜻蛉日記』講読(7)―出産から町の小路の女の出現の頃―
12.『蜻蛉日記』講読(8)―町の小路の女への憎悪―
13.『蜻蛉日記』講読(9)―長歌の贈答―
14.『蜻蛉日記』講読(10)―まとめと『蜻蛉日記』の文学史上の位置づけ―
15.レポート作成上の注意事項
16.総括

評価

期末のレポートの出来栄えと欠席状況(備考)を加味する.

再評価

なし

教科書

堤和博著『和歌を力に生きる―道綱母と蜻蛉日記―』(新典社・1050円)

連絡先

堤(4-404, tsutsumi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)

備考

授業には出席するのが当然なので,出席しても加点しないが,欠席すると減点する.