2011年度 総合科学部 人間文化学科 国際文化コース 学士課程 — [選択] 2年(後期)

日本文学研究Ⅱ

教授・原水 民樹

2単位

目的

日本古典文学における異本の意味を理解させるとともに,写本を読むための基礎的能力を身につけさせる.また,徒然草の解読を通して,日本中世知識人の思想・信条・価値観・美意識等を認識させることを目的とする.

概要

本授業は,徒然草の最も古い写本とされる静嘉堂文庫蔵正徹自筆本を教科書に用いる.時間ごとに担当となった受講生が通読・解釈を行った上で,疑問点・問題点を提起し,参加者全員で討議する形で進める.

キーワード

徒然草,異本,日本中世,古人の思考

目標

1.日本中世人の価値観・思想・思考形態などを知る.

計画

1.作者・作品についての概説
2.「花は盛りに」の段の注解と観賞および問題点の検討
3.「祭過ぎぬれば」の段の注解と観賞および問題点の検討
4.「家にありたき木は」の段の注解と観賞および問題点の検討
5.「身死して財のこることは」の段の注解 と観賞および問題点の検討
6.「悲田院尭蓮上人は」の段の注解と観賞および問題点の検討
7.「こころなしとみゆる者も」の段の注解と観賞および問題点の検討
8.「人の終焉のありさまの」の段の注解と観賞および問題点の検討
9.「栂尾の上人の」の段の注解と観賞および問題点の検討
10.「御随身秦しげみ」の段の注解と観賞および問題点の検討
11.「明雲座主」の段の注解と観賞および問題点の検討
12.「灸治あまたところになりぬれば」の段の注解と観賞および問題点の検討
13.「四十以後の人」の段の注解と観賞および問題点の検討
14.ビデオ観賞
15.まとめ
16.レポート

評価

毎回の受講態度(五割)と期末レポート(五割)を総合して判断する.

再評価

しない

教科書

『徒然草』下 (笠間書院影印叢刊)笠間書院 1300円

参考資料

新・旧日本古典文学大系『徒然草』(岩波書店),田辺爵『徒然草諸注集成』(右文書院),日本古典文学集成『徒然草』(新潮社)

連絡先

原水(1号中棟1階, 088-656-7113, haramizu@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)