法律学の基礎Ⅱ
目的
民法全体の基礎をなす総則部分をならびに物権法の内の用益物権について理解することにより,民法Ⅰ・民法Ⅱで扱う担保物権法・債権法学習の基礎を固める.
概要
本講義では憲法と並んで法律学の基礎をなす民法,その中でも根底をなす総則部分ならびに物権法の内の用益物権について講ずる.とりわけ総則は民法の中でも抽象度が高く難解とされる部分であるが,法律行為の無効・時効など,物権法・債権法の理解の前提となる部分であるので,できるだけ事例を挙げながらわかりやすく説明していくこととする.
キーワード
法律行為,能力,代理,物権変動,所有
注意
私法の根底をなす講義であるので,「民法Ⅰ」・「民法Ⅱ」・「商法Ⅰ」・「商法Ⅱ」・「企業取引法」・「経済法Ⅰ」・「経済法Ⅱ」のうちのいずれかの科目の履修を考えている者は必ず履修すること. 初回から,六法を持参すること(『セレクト六法』・『ポケット六法』などの小型のもので足りる.できる限り新しいものを用意することが望ましい). 法律学の「基礎」だが,「基礎」とは「初歩」という意味ではない.科目の性質上相当量の予習・復習をしないと理解できないので,履修の際には留意すること.
目標
1. | 民法の根底をなす総則部分を理解すること. |
2. | 物権変動とは何かを理解すること. |
3. | 民法典の全体像を描けるようになること. |
計画
1. | 民法とは? (法律全体の中での位置づけ) |
2. | 法律行為の成立1(意思の完全性) |
3. | 法律行為の成立2(内容の妥当性) |
4. | 法律行為の成立3(無効と取消し) |
5. | 法律行為の主体1(自然人の能力) |
6. | 法律行為の主体2(代理一般) |
7. | 法律行為の主体3(表見代理・無権代理) |
8. | 法律行為の主体4(法人) |
9. | 法律行為の客体(物)・時効1(取得時効) |
10. | 時効2(消滅時効)・条件・期限・期間 |
11. | 不動産物権変動 |
12. | 動産物権変動 |
13. | 占有権・所有権 |
14. | 所有権の取得・制限 |
15. | 共有・用益物権 |
16. | 期末試験 |
評価
出席点(5点)・小テスト(20点)・論述式を含む期末試験の成績(75点)による.
再評価
行わない
教科書
大村敦志『基本民法Ⅰ[第3版]』(有斐閣)
中田裕康=潮見佳男=道垣内弘人編『民法判例百選Ⅰ[第6版]』(有斐閣)
参考資料
講義で適宜紹介する.
連絡先
直井(連絡先未登録)
上原(088-656-7173, uehara@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)