2011年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 文化情報サブコース 学士課程 — 2年(前期)

2011年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 哲学·思想サブコース 学士課程 — 2年(前期)

2011年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 歴史·社会サブコース 学士課程 — 2年(前期)

アメリカ文化論(その1)

教授・上野 加代子

2単位

目的

アメリカ社会学の理論や概念をいくつか講義しながら,少年犯罪,いじめ,児童虐待,経済格差,自尊心の低下といった社会的関心の高い問題を考えていきます.

概要

具体的な例(非行,いじめ,不登校,児童虐待,精神疾患,ADHD等)を用いて,アメリカ社会学の主要な理論や概念を分かりやすく説明します.メディア報道の分析方法(メディアリタラシー),問題の公的統計の社会学的解読方法などについても講義します. 授業では,私たちの個人的な悩みやトラブルと受けとめられることでさえも,すべて社会的な起源と文脈があるという点から考えていきます.

注意

地域システムコース『青少年問題研究Ⅱ』(地域システムコース)との合同講義なので,両方の授業に登録することはできない.

目標

1.受講後,皆さんが,テレビや新聞が報じる子どもと青少年の諸問題や自分自身の問題について少しでも違った見方ができるようになることを期待します.

計画

1.オリエンテーション/ 「犯罪」「病気」「障害」「問題」の社会学的な捉え方(逸脱の社会学)
2.ひとはどのようにして非行少年や異常者になってしまうのか(ラベリング論を学ぶ)
3.ひとはなぜ犯罪をおかすのか①諦められない人生について(アノミー理論を学ぶ)
4.ひとはなぜ犯罪をおかすのか②下位文化論③損得勘定で人生を生きる(ボンド理論を学ぶ)
5.少年犯罪の「増加・深刻化」について(公的統計の社会学的な解読法を学ぶ)
6.いじめ問題(予言の自己成就について学ぶ)
7.児童虐待の「増加・深刻化」について(社会問題の社会構築主義を学ぶ)
8.医療化現象
9.モラルパニック ―社会問題報道と厳罰主義
10.メーガン法の成立
11.性的虐待とバックラッシュ
12.子どもの時代の記憶論争
13.アイデンティティのポリティクス
14.講義のまとめ
15.受講生発表

評価

授業への参加度や発表などを総合的に評価する.レポートによる評価(7割),授業への参加度ならびに発表(3割).

再評価

教科書

教科書なし.毎回配布するレジュメに関連文献を記載する.

参考資料

バリーグラスナー著,松本薫訳,2004年『アメリカは恐怖に踊る』草思社;ジョエル・ベスト著,林大訳,2002年『統計はこうしてウソをつく』白揚社など

連絡先

上野(088-656-7682, ueno@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週 木曜日 11時50分∼12時50分