日本史基礎研究I
教授・桑原 恵
2単位
目的
本講義では,近世から近代の歴史史料の解読を行い,歴史史料を分析する力を養うことを目的とする.史料を読解することによって,過去の時代の社会や文化の様相を理解することができるようにしたい.また,文献資料と地方史料の両方を史料として使用し,古文書を解読する力(すなわちくずし字の解読)も身につけるようにしたい.
概要
日本近世史料の解読,分析による実証方法の修得.特に,吉野川に関する史料を解読し,江戸時代の吉野川をめぐる歴史や文化を理解するようにする.
キーワード
古文書,日本近世史,歴史史料,くずし字
先行科目
関連科目
注意
受講生が十分に予習復習することによってしか,古文書読解の能力を身につけることは出来ない.また,くずし字の読解という始めての経験に対して,真摯に努力する態度で受講して欲しい.
目標
1. | 日本近世の古文書史料を,解読し,分析する能力を習得すること. |
計画
1. | 古文書を扱う際の注意事項,古文書に関する基礎知識について |
2. | 近世∼近代の各時期の翻刻された史料について文献史料を取り上げ,その解釈を行う. |
3. | {例} |
4. | 村の文書1:金銀借用書など |
5. | 村の文書2:村掟など |
6. | 領主の文書1:幕府の法令・お触れなど |
7. | 領主の文書2:江戸市中の取締書など |
8. | 藩の史料1:お触れなど |
9. | 記録の史料を読む:地震の記録など |
10. | 領主へ提出した文書を読む1:お願い書など |
11. | 領主へ提出した文書を読む2:五人組帳など |
12. | 史料を解釈する1:裁判史料について |
13. | 史料を解釈する2:記録から理解できることなど |
14. | 史料を解釈する3:願い書などから理解できること |
15. | 総括授業 |
評価
出席状況,平常点としての小テストを数回程度行い,期末テストの成績との総合的な評価を行う.
再評価
行わない.
教科書
くずし字の辞書として,『増訂近世古文書解読字典』柏書房,と『図録·古文書入門事典』柏 書房,を薦める.但し,すでにくずし字の辞書を持っている学生は購入の必要はない.
講義で使用するプリント類は,適宜配布する.
連絡先
桑原(088-656-7157, megumi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 事前にメールで連絡して下されば,時間は調整します.megumi@ias.tokushima-u.ac.jp