2011年度 総合科学部 自然システム学科 物質·環境コース 物理系サブコース 学士課程 — 3年(後期)

2011年度 総合科学部 自然システム学科 物質·環境コース 地学系サブコース 学士課程 — 3年(後期)

熱統計力学·量子力学演習

教授・日置 善郎, 准教授・真岸 孝一

2単位

目的

統計力学と量子力学の基本的理解

概要

統計力学と量子力学についての演習を交互におこなう.理解度を高めるのが演習の目的であって,決して試験の準備勉強ではない.(1) 統計力学: 統計力学では,マクロな数の粒子から成る系を対象として,内部エネルギー,エントロピー,自由エネルギーなどの熱力学的量を求め,さらにその系の比熱や磁化率などの物性の特徴について調べる.計算が比較的容易なモデル的な系について,どのように統計力学が使えるかを自ら実際に体験することにより理解を高める.(2) 量子力学: 量子力学が難しいと一般に言われる理由は,高校までの物理学とはかなり異なる考え方が要求される点にある.これを克服するためには,焦らず基本的事項をじっくりと理解していくと同時に,基本的な練習問題を自ら考えて解くことによりシュレディンガー方程式の取り扱いの方法を身につけていくことが必要である.

キーワード

シュレディンガー方程式,波動関数,ハミルトニアン,フェルミ統計,ボ-ズ統計

注意

熱·統計力学I·II および量子力学 I の受講を前提とする(量子力学 II の受講も望ましい).あとは積極的な受講態度あるのみ!

目標

1.熱統計力学および量子力学の基本事項を,具体的な練習問題を解いていくことにより身につけ,更に進んだレベルの学習へ進むための基礎とすること.

計画

1.統計力学1:全体概説
2.量子力学1:全体概説
3.統計力学2:ミクロカノニカル分布
4.量子力学2:井戸型ポテンシャルの問題
5.統計力学3:カノニカル分布
6.量子力学3:固有値·固有関数の取り扱い
7.統計力学4:古典統計力学近似
8.量子力学4:角運動量と中心力場
9.統計力学5:グランドカノニカル分布
10.量子力学5:摂動論
11.統計力学6:フェルミ統計
12.量子力学6:散乱問題(I)
13.統計力学7:ボーズ統計
14.量子力学7:散乱問題(II)
15.統計力学8:総括
16.量子力学8:総括

評価

演習なので,通常の出席状況と受講態度が最も大きな評価項目となる.これに,必要に応じて実施する試験の結果も加えて総合的に判定する.

再評価

希望があれば行う.

教科書

プリントおよび熱·統計力学 I·II および量子力学 I·II の教科書·参考書.

連絡先

日置(総合科学部3号館 1N04 号室, 088-656-7234, hioki@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 量子力学 I·IIに同じ.
真岸(総合科学部3号館1N09, 088-656-7230, magishi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 熱·統計力学 I·IIに同じ.