2011年度 総合科学部 人間文化学科 心理・健康コース 学士課程 — [選択] 3年(後期)

人間形成論

鳴門教育大学 非常勤講師・木内 陽一

2単位

目的

人間形成の様態を,哲学的,思想史的立場から考究する.

概要

人間形成論の立場から見た西田幾多郎の哲学

キーワード

西田幾多郎,京都学派の哲学,教育哲学,教育思想史

注意

近代日本哲学の代表者のひとり,西田幾多郎(1870-1945)の著作を読んで,近代日本の哲学思想,人間形成論の一端に触れてみましょう.哲学や思想史の知識がなくても,興味があれば受講して下さい.

目標

1.「人間形成」論の成立した,歴史的・社会的状況がわかる/近代の人間観の概要がわかる/初期の西田哲学の概要がわかる

計画

1.はじめに―なぜ「人間形成」は「問題」になるのか?
2.近代の人間観―イマヌエル・カントの事例
3.近代人間形成論の展開(1)―中世から近代へ
4.近代人間形成論の展開(2)―19世紀から現代へ
5.外国人が見た近代日本の文化と教育―ラフカディオ・ハーンの事例(1)
6.外国人が見た近代日本の文化と教育―ラフカディオ・ハーンの事例(2)
7.人間形成論としての西田哲学―西田幾多郎の人と思想
8.「実在」とは何か(1)
9.「実在」とは何か(2)
10.「純粋経験」を考える(1)
11.「純粋経験」考える(2)
12.「善」とは何か(1)
13.「善」とは何か(2)
14.西田の宗教観(1)
15.西田の宗教観(2)
16.まとめ―人間形成論としての西田哲学

評価

レポートの提出を求める.

再評価

口述試験をおこなう.

教科書

西田幾多郎(全注釈:小坂国継)『善の研究』(講談社学術文庫)(本書には岩波文庫版もあるが,全注釈がついた講談社学術文庫版を購入してほしい.)

参考資料

参考文献は,授業中に紹介する.また,必要な資料はプリントを配布する.

連絡先

木内(kiuchi@naruto-u.ac(no-spam).jp)