2011年度 総合科学部 社会創生学科 環境共生コース 学士課程 — [必修] 3年(前期)

環境共生学セミナーⅠ

教授・小山 保夫

2単位

目的

どのような卒業研究を進めるか.それを知るためには,どのような研究が行われているか,知ることが必須である.もし,すでに研究が行われていることを研究しても,それが論文として認められることは少ない.よって,卒業研究に取りかかる最初のステップとして,最近の論文を読んでみましょう.また,英語の力を付けて,レベルの高い大学院の入学試験に確実に合格できるようにします.

概要

化学物質の作用影響評価論文の読解力を養成します.

注意

英語は苦労しないと上手くならないから,気持ちが悪くなるくらい読むことです.とにかく,「修行」と思って頑張ることです.三時間くらいは連続して,英語を読み続ける忍耐力が必要です.

目標

1.少なくとも何をしたら研究らしいものになるのか,論文が纏められるか,自分で考えることができる.

計画

1.論文を探そう.どうしたら,必要な論文を見つけることができるか.
2.論文の構成はどのようになっているのか.
3.どのように英語の論文を読んでいくのか.科学英語(自然科学)には特徴があります.
4.題目(Title),著者名(Authors),研究が実施された場所(Address)の持っている意味を教えます.次に,抄録(Abstract)の内容の最低条件について解説します.
5.緒言(Introduction)から,この論文にどのような流れがあるのか,読み方を話します.緒言が立派でも研究内容はお粗末な論文もあります.
6.実験方法(Methods and Materials)です.ここは結果(Results)を読んでいく中で繰り返し見る可能性があります.どのような条件で実験が行われたのか,重要です.
7.結果(Results)を読む時のポイントを解説します.なぜ,そのような実験を行って,何を明らかにしているのか.ここが重要です.結果から導き出されていることが,緒言で書かれていること沿っているか.全く関係がないことをしている可能性もあります.実験の構成をチェックしてみましょう.
8.結果に沿った考察(Discussion)が行われているか,考えてみましょう.そして,示唆,推論あるいは結論はまともなのか,引用文献(References)の内容まで含めて,話し合いましょう.
9.論文に何が不足しているか,批評しましょう.自分ならどうするか? ここを考えてみましょう.
10.論文を審査することを査読(Review)と言います.論文の査読の仕方,ポイントを覚えましょう.ここまでの講義を振り返り,論文をどのように評価するのか,確認しましょう.
11.論文を査読者的に読んでみましょう(Toxicology).
12.論文を査読者的に読んでみましょう(Toxicology In Vitro).
13.論文を査読者的に読んでみましょう(Toxicology Letters).
14.雑誌の評価,論文の評価について,教えます.
15.総括

評価

少なくとも何をしたら研究らしいものになるのか,論文が纏められるか,自分で考えることができる.それを口頭で説明できること.

再評価

なし.

教科書

なし.

参考資料

エルセビア系毒性科学誌(Toxicology,Toxicology Letters,Toxicology In Vitro)

連絡先

何かあれば,メール(oyama@ias.tokushima-u.ac.jp)に問い合わせる.