2011年度 徳島大学 共通教育 基礎科目群 — 毎年(後期)

基礎化学 / 基礎化学概論

Basic Chemistry / Outline of Chemistry

平成19年度以前の授業科目:『基礎化学』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『基礎化学 / 基礎化学概論』

非常勤講師・村田 勝夫

2単位

 木(1・2) 工((建)1年)

授業の目的

建設工学科の学生は,将来わが国の基幹産業の分野で活躍する場合が多い.その基幹産業を支えているのは,豊富で多種多様な資材である.この生産業の中心は,鉄鋼や非鉄などの特殊金属,コンクリート,プラスチックなどの原材料から種々な機能を持つ製品を産出している.これらの製品を構成している物の性質や反応性を基礎化学的に知ることは,それらを活用する上できわめて重要である.化学の進歩とともに,新しい機能を持った物質が作り出され,私たちに快適な環境をもたらしている.一方,物質文明は人類に環境汚染などの深刻な問題をもたらしている.持続可能な社会を形成するには,化学の力のみで解決することはできないが,化学の力なくしては解決することのできない問題である.このような状況を考えると,今まで以上に多くの学生が化学を理解することが重要である. 本授業では,高校教育における物理や化学と現代の学問としての化学とのスムーズなつながりを意識しながら,理工系大学生として学問的雰囲気を感じて知的好奇心が刺激され,高学年となってからも役に立つことを目的とする.

授業の概要

広範囲な化学の領域をすべて網羅して学習することは困難であるので,本授業では抽象的な概念の思考を主とする熱力学を割愛し,化学結合,化学反応,化学平衡などの基礎的な学習と,触媒や電池などの反応速度や電気化学などの応用例の理解から構成した.つまり理工系学生が化学的現象の根本的な原理を理解できるような授業をする.

キーワード

電子配置,周期律表,化学結合,化学平衡,イオン化傾向

関連科目

量子力学,基礎物理学 / 力学及び熱力学

到達目標

1.原子の構造と軌道の性質,そして量子化学の基礎が理解できる.
2.気体,液体,固体の基本的な性質と状態変化,化学平衡や反応速度の応用ができる.
3.触媒や電池の基礎的な理解を深め,多くの最先端の応用例を知る.

授業の計画

1.概論とSI単位
2.水素原子のスペクトルとエネルギー
3.原子の電子配列と周期表
4.化学結合
5.分子の極性
6.化学反応の種類
7.有機化合物の反応
8.気体分子運動論
9.相変化と相平衡
10.状態図と相律
11.固体と結晶構造
12.溶液
13.反応速度
14.化学平衡
15.期末試験
16.総括授業

成績評価の方法

小テスト,学期末試験,授業への取り組み状況などをもとに総合的に評価する.

再試験の有無

教科書

篠崎 開•大窪 潤•大野清伍•柴 隆一•鈴木隆之•藤本 明 共著 『理工系一般化学』 東京教学社

連絡先

村田(連絡先未登録)