2011年度 歯学部 口腔保健学科 学士課程 — [必修] 1年(前期, 後期)

解剖学・生理学

Anatomy · Physiology

教授・伊賀 弘起, 講師・吉田 賀弥

3単位

形態

講義

一般目標

個体発生の仕組みや,人体の構造を理解する.

授業概要

精子・卵子から胎児の成長に至るまでの個体発生の仕組みを解説する.全身を系統別に分けて人体の大要を示す.それぞれの系統について,肉眼解剖的構造及び組織学的構造を解説し,歯科衛生士として必要な解剖学の知識を教授する.

授業場所

講義形式(パワーポイント,プリントなどを適宜用いる)

注意事項

解剖学・生理学の授業では授業計画の「内容」の欄に各講義事項のキーワードを掲載している. ①受講者は各回のキーワードについて事前に予習して理解した内容を簡潔に纏めること. ②受講者は毎回受講後に学習成果を基にキーワードについて再度内容を簡潔に纏めること. また予習の内容と復習の内容を比較して学習成果を確認すること. ③試験は全講義数の2/3以上の出席を満たしている者に対して行う. ④予習,復習をすることが出席評価に含まれる.

行動目標 (到達目標)

1.細胞の基本構造,構成要素とその働きを説明できる.
2.生体を構成する分子を列挙できる.
3.細胞膜の構造と機能を説明できる.
4.細胞分裂の機序を説明できる.
5.遺伝情報発現の機序を説明できる.
6.個体の発生を概説できる.
7.骨の基本構造と結合様式を説明できる.
8.骨の代謝について説明できる.
9.筋の一般構造を説明できる.
10.筋収縮の機序を説明できる.
11.心臓や動脈,静脈の構造を説明できる.
12.肺循環,体循環,リンパ循環を説明できる.
13.リンパ性組織とリンパ性器官を説明できる.
14.血液の機能,止血と凝固系を説明できる.
15.消化管の基本構造と機能を説明できる.
16.肝臓の構造と機能および胆汁の分泌を説明できる.
17.膵臓の構造および外分泌腺と内分泌腺の特徴を説明できる.
18.消化管ホルモンの機能や,消化管運動の制御機序を説明できる.
19.喉頭,気管,気管支,肺の構造と機能を説明できる.
20.呼吸の調節機序を説明できる.
21.腎臓と尿路の構造と機能を説明できる.
22.尿生成の機序を説明できる.
23.生殖器の構造と機能を説明できる.
24.各内分泌器官の構造と機能および分泌されるホルモンを説明できる.
25.ニューロンの構造と興奮伝達を説明できる.
26.中枢神経系,末梢神経系の構造と機能を説明できる.
27.自律神経系の構造と機能を説明できる.
28.感覚器と感覚受容体を説明できる.

授業計画

大項目中項目内容担当到達目標
1.人体の構成細胞の構造
解剖学の意義と重要性
伊賀1-5
2. 〃 細胞の構造
細胞の基本構造,細胞の死,組織と器官
吉田
3.人体の構成 細胞膜
細胞膜の透過性,分泌
細井
4. 〃 〃
静止電位,活動電位,情報伝達
5.人体の構成遺伝情報の発現
核と染色体,細胞分裂
吉田
6. 〃 〃
遺伝子
7. 〃 〃
転写と翻訳
8.ヒトの発生受精・着床
減数分裂,卵割,胚葉形成
6
9. 〃胎児の成長
胚子期,胎児期
10. 〃 〃
顔面・口腔の発生
11.骨格系全身の骨格,骨の結合
体を構成する骨,関節
7 8
12. 〃骨の構造
骨の形態,骨組織,骨代謝
13.筋系筋の一般構造
起始・停止,筋の分類,補助装置,体を構成する筋
9 10
14. 〃筋の組織構造
横紋筋,平滑筋
15. 〃筋収縮
筋収縮のメカニズム
16.脈管系血管
循環,血管の構造,毛細血管
11-14
17. 〃心臓
心臓の構造
18. 〃 〃
刺激伝導系,心電図
19. 〃リンパ系
リンパ管,リンパ節,胸腺,脾臓
20. 〃血液
血液の成分,止血・凝固,血液型
21.消化器系消化管
消化管の組織構造
15-18
22. 〃 〃
食道,胃,小腸,大腸
23. 〃消化腺
肝臓の構造と機能
24. 〃 〃
膵臓の構造と機能
25. 〃消化と吸収
消化管運動の神経支配
26. 〃 〃
消化酵素,消化管ホルモン
27.呼吸器系喉頭・気管の構造
喉頭,声帯・声門,気管・気管支
19 20
28. 〃肺の構造
肺の区分,肺胞,胸郭
29. 〃呼吸
呼吸運動,肺気量,ガス交換,呼吸中枢
30.泌尿器系腎臓,尿管,膀胱の構造
ネフロン(腎小体・尿細管),腎臓の血管系
21 22
31. 〃尿の生成,排尿
濾過,再吸収と分泌,クリアランス,蓄尿・排尿反射
32.生殖器系男性生殖器の形態と機能
精巣,精子形成
23
33. 〃女性生殖器の形態と機能
卵巣,性周期と排卵
34. 〃性ホルモン
性ホルモンの種類・調節
35.内分泌系ホルモン
ホルモンの分類・作用機序,ホルモンの分泌調節機構
24
36. 〃内分泌器官
視床下部,下垂体
37. 〃 〃
甲状腺,副甲状腺,副腎
38.神経系神経系の一般特性
分類,ニューロン
25-27
39. 〃興奮の伝達 神経系
静止電位と活動電位,シナプス,反射
40. 〃中枢神経系
脳・脊髄の構造と機能
41. 〃末梢神経系
脊髄神経
42. 〃体性神経系
運動神経と感覚神経
43. 〃自律神経系
交感神経と副交感神経,自律神経系の神経伝達物質と受容体
44.感覚器系感覚
感覚の種類と特徴
28
45. 〃体性感覚と内臓感覚
皮膚感覚,臓器感覚,内臓感覚

成績評価の方法

筆記試験を行い,成績が100点満点で60点以上の者を合格とする.

再試験

必要に応じて行う.

教科書,参考書

人体の構造と機能,全国歯科衛生士教育協議会編集 医歯薬出版株式会社,2010

連絡先

伊賀(口腔保健学科・教授室, 088-633-7963, iga@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
吉田(088-6337322, kaya@dent.tokushima-u.ac(no-spam).jp)