2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群
EDB
生活と社会 / Living and Society
地域と人間(地球環境問題)
助教授・豊田 哲也 2単位 後期 木(3・4) 全(全)
21世紀に生きる人類にとって地球環境問題は差し迫った課題である.増え続ける人口,伸び悩む食糧生産,枯渇する資源,加速化する環境破壊.今日の日本に住む私たちは豊かで快適な生活に恵まれているが,それが莫大な輸入資源の消費によって支えられていること,同じ地球上には貧困や飢餓に生命をすら脅かされている多くの人々がいることを忘れてはならない.授業では人口,食糧,資源,環境といったキーワードを地域の視点からとらえ,問題の本質を問いかけることを目的とする.
授業では原則として毎週1つのテーマを取り上げ,ビデオ視聴などなるだけ豊富なデータを示しながら解説をおこなう.各人が事実を正確に認識し,自ら考えを深める手がかりにしてほしい.なお,授業に関連する情報の提供やレポートの提出は下記ウェッブページ上でおこなう.
地理学,地球環境,人口問題,食糧危機,南北問題,資源とエネルギー
生活と社会生活と社会自然と技術
地球環境問題についての関心を高め,基礎的な知識を身につけた上で,自分で探した資料をもとに考察をおこない,意見を論理的な文章にまとめることができる.
1.人口問題とはなにか: 世界人口の歴史的推移と将来予測
2.マルサスの人口論: 人口論の意義と人口転換モデル
3.人口抑制政策の試み: 中国における一人っ子政策とその社会的影響
4.発展途上国の都市問題: 貧困がもたらす農村の疲弊と都市の人口爆発
5.日本の人口問題: 進む少子化·高齢化と人口減少社会のゆくえ
6.飢餓と低開発の構造: モノカルチャー経済のゆがみと南北問題
7.食糧問題と緑の革命: 高収量品種の開発と普及に見る光と影
8.食糧生産の現状と問題: 農業生産と食糧貿易から見た地域の格差
9.日本の食糧需給: 輸入食料の増大と国内農業の課題
10.破壊される熱帯林: 熱帯林の急激な減少とその経済的要因
11.有限な資源と成長の限界: エネルギー資源の地理的分布と国際情勢
12.日本のエネルギー需給: 原子力エネルギーの経済性と安全性
13.広がる酸性雨被害: 酸性雨のメカニズムと越境する大気汚染
14.進む地球温暖化: 京都議定書と温室効果ガス排出削減の取り組み
15.持続可能な文明と社会: 環境問題が問いかけるものと私たちの選択
16.授業の総括
石弘之著 『地球環境報告』 岩波新書 1988年 819円,西川潤著 『世界経済入門·第3版』 岩波新書 2004年 819円,このほか参照する図表等を各回プリントして配布する.
関連する図書を毎回授業で紹介する.
5回に分けて小レポートを課すほか,授業へ取り組み状況をもとに総合的に評価する.
http://www.ias.tokushima-u.ac.jp/region/env/
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
豊田(2329, 088-656-7154, toyoda@ias.tokushima-u.ac.jp)
 オフィスアワー: 毎週 木曜日12時∼13時 豊田研究室(総合科学部1号館3階)
高校での授業や受験科目で地理を履修·選択したかどうかは受講の必要条件ではない.受験学習にありがちな地名や物産の暗記からいかに脱却するかが課題である.