2006年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 |
EDB |
自然と技術 / Science and Technology |
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ゼミナール「くすりをつくる-現代の練金術·有機化学への招待-」 |
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[旧カリキュラム] 授業科目名: 自然科学ゼミナール
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助教授・吉田 昌裕 2単位 前期 水(7・8) 全(全) |
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授業の目的 |
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現在様々な病気の治療に用いられているくすりはどのようにつくられているだろうか.医薬品の多くは単純で容易に手に入る化合物に対し様々な有機化学反応を積み重ねていくことにより合成される.有機化学は,砂糖やアルコールをがんの特効薬へと変貌させることを可能にする学問であり,まさに現代の錬金術と言ってもよい.本授業では実際行われている医薬品の合成法について紹介することで,創薬に必要な基礎的な有機合成の概念並びに有機化学反応の修得を目指す. |
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授業の概要 |
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代表的な医薬品の分子構造をあげ,開発された経緯,どのようにして薬理活性が発現するのかその概要について解説する.また様々な生理活性分子の合成法について,わかりやすく説明する.それに伴い,合成に必要な反応の基礎的事項を要点を絞って解説し,有機化学の基礎について学習する. |
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キーワード |
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有機化学,有機合成,創薬化学 |
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先行科目 |
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基礎化学 |
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関連科目 |
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基礎化学,基礎化学 |
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到達目標 |
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1. | 薬の発見の歴史を具体例を挙げて概説できる. |
2. | 医薬品として使われている天然有機化合物およびその誘導体を,具体例を挙げて説明できる. |
3. | 代表的な官能基選択的反応を列挙し,その機構と応用例について説明できる |
4. | 代表的な炭素-炭素結合生成反応について説明できる. |
5. | 転位反応を用いた代表的な炭素骨格の構築法を列挙できる. |
6. | 課題として与えられた化合物の合成法を立案できる. |
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授業の計画 |
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1. | 代表的な医薬品の分子構造(計3回) |
2. | 医薬品開発における有機化学の重要性:くすりはどのようにして創られるのか(計3回) |
3. | ステロイドの合成 |
4. | 媚薬の合成 |
5. | 野依触媒によるメンソールの大量合成 |
6. | ふぐ毒の本体:テトロドトキシンとゾンビ風習 |
7. | 分子レベルのドミノ倒しの行く先は··夢の抗腫瘍剤 |
8. | 植物由来の抗がん剤:タキソールの発見と合成競争 |
9. | 地球温暖化に歯止めをかける!?二酸化炭素を再利用する新しいくすりのつくり方 |
10. | 総合演習(計2回) |
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教科書 |
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教科書は使用しない.板書,プリント配付により授業を進める. |
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参考資料 |
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有機合成のレゾナンス(Pierre Laszlo 著,尾中·正田訳,化学同人) |
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成績評価の方法 |
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レポート,授業への取り組みを基に総合的に評価する. |
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WEBページ |
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→コンテンツサーバ (EDB/CMS) |
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連絡先 |
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吉田(088-633-7294, yoshida@ph.tokushima-u.ac.jp) オフィスアワー:
いつでも結構です.電子メールでも質問等を受け付けます. |