2007年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 学部課程 — 3年(後期)
EDB
国際文化ゼミナール (その2)
准教授・今井 晋哉 2単位
授業の目的
「本ゼミナール(総論)」のシラバスを参照のこと.
授業の概要
ここ20-30年ほどの間に西洋史学の関心は,政治史や経済史から日常生活の社会史的研究へと移ってきました.それにつれ,扱われるテーマも以前には考えられなかったほど多様化し,また豊かな成果も生み出されるようになりました. 私自身は,ヨーロッパ近代都市社会における流民·下層民の生活状況,下層民の社会的抗議や労働者運動,「国民」形成,「国民国家」と民族問題,ナチス支配社会における人種主義政策,冷戦時代における東欧社会主義体制の崩壊と民主化革命,ドイツ「再統一」をめぐる問題,外国人労働者·難民の流入と統合に関する問題などに関心を寄せていますが,例えばドイツ史研究においても近年は,飲食物,住居や建築,民間伝承,宗教的異端,健康と病,余暇と大衆文化等々を手がかりにした,また特に女性や若者に焦点を当てた民衆生活史研究も盛んに行われるようになっています.例えば以上のような様々のテーマや観点との関連で,ドイツ史またはイギリス·フランス以外のヨーロッパの歴史に興味のある方,あるいは様々な社会的周縁集団をめぐる不平等や差別,統合·共生の問題との関わりで,現代ヨーロッパ社会もしくは現代日本社会に関心のある方とは,一緒に勉強できるかもしれないと思っています.
キーワード
近現代ヨーロッパ,歴史研究,社会研究,卒業研究
先行科目
ヨーロッパ歴史·社会論III
関連科目
ヨーロッパ地域研究特論
受講者へのメッセージ
「本ゼミナール(総論)」のシラバスを参照のこと.
到達目標
「本ゼミナール(総論)」のシラバスを参照のこと.
授業の計画
1.3年次前期には,いくつかの日本語文献を共通のテキストとして,一緒に読みながら要旨を理解し,問題点を確認するという作業を中心に行います.その際,重要な事象,概念,人名,地名などについては,参考図書を使って調べてきてもらいます.テキストは,受講者の関心を考慮に入れつつ選びたいと思います.また,この時期に文献·資料の調査·収集の方法についても学習します.
2.3年次後期には,前期と同じような学習に加えて,卒業研究のテーマを決め,研究をスタートしてもらいます.
3.4年次後期には,「卒業研究中間発表会」を経て,いよいよ卒業論文をまとめていくことになります.なおゼミで,あるいは卒業研究のために英語やドイツ語の文献を読むかどうかは,受講者の意欲と研究テーマによります.
4.ゼミの時間には,予め用意してもらうレジュメに基づき,まず基本的な報告をしてもらいます.続いて,報告内容について質疑応答や討論を行います.
5.卒業研究についてはいろいろと相談に乗りますが,研究テーマ自体は自由に選んで,自主的·積極的に勉強を進めてほしいと思います.どのようなテーマを選ぶにしろ,各自の問題意識を大切に,視野はできるだけ広く,同時に研究対象は具体的に絞り込んで,それをできるだけ深く掘り下げる,ということを目指したいと思います.自分の研究を最終的に卒業論文にまとめていくために,ゼミを通じて文献·資料の綿密な調査·読解と併せ,調べたことを自分なりに整理し,報告する手法にも習熟してほしいと思います.
成績評価の方法
毎回の課題へのとりくみ方,討論への参加の程度などの観点から総合的に評価します.
対象学生
3·4年生
教科書
特定の教科書は用いません.
参考資料
教材·参考文献等は随時,配付もしくは紹介します.
WEBページ
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
連絡先
今井(1319, 088-656-7139, shi-imai@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 月曜日 14:45-16:00
備考
1.2007年度後期開講
2.(火)9·10または(水)9·10