2007年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 文化情報サブコース 学部課程 — 3年(後期)
2007年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 哲学·思想サブコース 学部課程 — 3年(後期)
2007年度 総合科学部 人間社会学科 国際文化コース 歴史·社会サブコース 学部課程 — 3年(後期)
EDB
ヨーロッパ史特論I
教授・佐久間 亮 2単位
授業の目的
この講義は担当者が専門とする研究テーマについて論述し,大学における歴史研究とはどのようなものであるかを体感してもらうことを目的に開講されるものである.と同時に,歴史研究での文献·史料の収集,英語文献の解釈などの技術的側面の指導もおこなう.予定されているテーマは,近年歴史学でも取り上げられるようになってきた「環境史」である.イギリス人が自然の限界を深刻に認識しはじめた19世紀以降を中心に,自然保護運動の歴史を論じることにする.ただし,自然の限界に直面して,その結果として,保護思想が出現,敷衍され,それがさらに保護運動へつながっていくというような予定調和的な歴史の見方はここではしない.むしろ,保護主義とは一見無縁にみえる諸イデオロギー·運動の絡まりあいの中から,自然環境保護の現代的な運動が生まれてくる様子を,英帝国(英領南アフリカおよびアジア)を舞台として検討する.地球規模での自然·環境保護が重要な課題になっている現在,19世紀の時点で地域·国家の規模を越えた環境保護に乗り出した英帝国の経験は,その背景にあるイデオロギーや目的が現代のそれとは大きく異なるとはいえ,充分検討に値するものである.
授業の概要
イギリス帝国と自然環境保護の試み
キーワード
自然保護運動,イギリス帝国,野生動物保全,国立公園,文化衝突
先行科目
ヨーロッパ歴史·社会論Iヨーロッパ社会研究Iヨーロッパ歴史·社会論III
関連科目
ヨーロッパ史特論IIヨーロッパ地域研究特論比較文化研究(その1)
受講者へのメッセージ
本講義は,偶数年に開講される.本年度は開講しない.
到達目標
1.·現代の事象を理解する上で,歴史的パースペクティブの重要性を認識する
2.·英語の研究論文読解の基礎力を培う
授業の計画
1.ジェントルマンと狩猟(1)
2.ジェントルマンと狩猟(2)
3.ジェントルマンと狩猟(3)
4.ジェントルマン支配の動揺
5.ハンティング熱の拡大
6.ボーア人とグレート·トレック
7.南アフリカ保護区の形成(1)
8.南アフリカ保護区の形成(2)
9.英領アジアの場合(1)
10.英領アジアの場合(2)
11.アフリカーナ·ナショナリズムと国立公園の形成(1)
12.アフリカーナ·ナショナリズムと国立公園の形成(2)
13.アフリカーナ·ナショナリズムと国立公園の形成(3)
14.アフリカーナ·ナショナリズムと国立公園の形成(4)
15.期末試験
16.総括授業
成績評価の方法
期末試験の結果によって評価をおこなう.
対象学生
総合科学部学生
教科書
教科書は使用せず,前半は授業中に配布するプリントを中心に講義,後半は英語論文の輪読を中心にすすめる.
WEBページ
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
連絡先
佐久間(2327, 088-656-7152, sakuma@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 火曜12時∼13時