2007年度 総合科学部 人間社会学科 アジア研究コース 日本文化研究サブコース 学部課程
2007年度 総合科学部 人間社会学科 アジア研究コース アジア研究サブコース 学部課程
EDB
日本文学演習Ⅰ
教授・原水 民樹 4単位
授業の目的
年代記とは,今でいう歴史年表のようなものであるが,特に中世期においてそうしたたぐいのものが貴族や僧侶の手によって多く編纂・作成された.その形成の背景には,自分たちの先祖の事跡をしりたいという 強い願望があったと思われる.年代記は一見,無味乾燥な事柄の集積のように見えるが,文学作品を生み出す肥沃な土壌の役割を果たしていたことが近年あきらかにされつつある.本授業では,年代記の一つである神皇正統録を対象として,他の年代記との関連性,典拠の問題,固有性等について多面的な考察を行う.
授業の概要
神皇正統録を,冒頭より注釈作業を基盤としつつ,他の年代記との比較検討・典拠・特色について分析·調査を行う.授業は演習形式で,時間毎に,担当となった受講生が事前に資料を作成し,それに基づきながら発表し,全員で討議する形で進める.
キーワード
神皇正統録,年代記,歴史と文学,伝承
先行科目
日本言語基礎研究II,日本文学基礎研究II日本史基礎研究II
関連科目
日本史演習II,日本言語演習II,日本文学演習II
受講者へのメッセージ
記事の比較・検討という基礎的で地味な作業が要求される.注釈書はないので,史資料を幅広く綿密に調査しなければならない.演習を担当する学生は資料を作成して授業に臨まなければならない.具体的な方法については,最初の数時間を用いて説明する.
到達目標
日本文化史上における年代記のの位置を認識するとともに,神皇正統録の生成のあり方及び固有性性を理解する.
授業の計画
1.年代記及び神皇正統録についての解説
2.神武天皇・綏靖天皇に係わる記事についての検討
3.安寧天皇・懿徳天皇
4.孝昭天皇・孝安天皇
5.孝霊天皇・孝元天皇
6.開化天皇・崇神天皇
7.垂仁天皇・景行天皇・成務天皇
8.仲哀天皇・神功皇后
9.応神天皇・仁徳天皇
10.履中天皇・反正天皇・允恭天皇
11.安康天皇・雄略天皇
12.清寧天皇・顕宗天皇
13.仁賢天皇・武烈天皇
14.継体天皇・安閑天皇
15.まとめ
16.レポート提出
成績評価の方法
演習形式の授業を根幹とし,それらについての評価及び期末のレポートに受講姿勢を勘案して行う.
教科書
プリントを当方で用意する.
WEBページ
→コンテンツサーバ (EDB/CMS)
連絡先
原水(1棟3階中棟2322, 088-656-7113, haramizu@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
 オフィスアワー: 水曜日14時30分∼15時30分