2008年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(前期)

歴史と文化 / 日本古代文学Ⅰ

History and Culture / Ancient Japanese Literature 1

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化 / 日本古代文学Ⅰ』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『日本文学 / 日本古代文学Ⅰ』

准教授・堤 和博

2単位

 木(3・4) 全(全)

授業のタイプ

講義

授業の目的

これからの人生を送っていくなかで,種々多様な文学作品に接することは,色々な面において有意義なものとなるはずである.しかし,日本古典文学作品を読むとすると,言葉が現代語と違うのは勿論のこと,何かと取り付きにくいものである.そこで,日本古典文学史上の著名な作品の一つである『蜻蛉日記』を取り上げ,古典文学作品読解の基本を身につけることを目的とする.以上のことに加え,文章力を養うことも目的とする.

授業の概要

文学作品の読解とは表面上の意味を読み取る(古典で言えば単に現代語訳する)だけではすまされないのは勿論である.作品の成立した過程やその時代の状況などを考慮に入れながら,作者が真に訴えたかったことを慎重に読み取っていかなくてはならない. 藤原道綱母の作である『蜻蛉日記』については,夫兼家との不如意な結婚生活を赤裸々に綴った作品であるとの知識をもっている人も多いと思う.それはそれで間違いではないのであるが,『蜻蛉日記』という作品にはそのような説明では覆い尽くせないような様々な要素・性質も含まれているのである.そんな要素・性質は,いかなる考察過程を経れば導き出せるのか,解説していく.文学作品を読む本当のおもしろさと,むずかしさを同時に学んでほしい.

キーワード

蜻蛉日記,日本古典文学,日本古代史

受講者へのメッセージ

特に歴史に関する事柄は欠かさず聴講しないと理解しにくいので,やむを得ず欠席した場合は,個別に質問に来ること.なお,数度以上無断で欠席した者は,受講の意志を無くしたものとみなす.

到達目標

1.『蜻蛉日記』成立頃の時代や登場人物の状況を把握した上で『蜻蛉日記』を読解する過程及び結果が理解できる.
2.理解した内容をわかりやすく文章化できる.

授業の計画

1.『蜻蛉日記』成立頃までの日本史概観(1)
2.『蜻蛉日記』成立頃までの日本史概観(2)
3.『蜻蛉日記』の日本文学史上における位置(1)
4.『蜻蛉日記』の日本文学史上における位置(2)
5.(以下から読解に入る)『蜻蛉日記』読解(1)
6.『蜻蛉日記』読解(2)
7.『蜻蛉日記』読解(3)
8.『蜻蛉日記』読解(4)
9.『蜻蛉日記』読解(5)
10.『蜻蛉日記』読解(6)
11.『蜻蛉日記』読解(7)
12.『蜻蛉日記』読解(8)
13.『蜻蛉日記』読解(9)
14.『蜻蛉日記』読解(10)
15.まとめ

成績評価の方法

数度の小レポートと期末試験(記述式)の合計点に欠席状況(注)を加味する. 注·授業には出席するのが当然なので,出席しても加点しないが,欠席すると減点する.

再試験の有無

教科書

上村悦子著『蜻蛉日記(校注古典叢書)』 明治書院 1968年 2,400円

参考書

授業中に適宜配布,提示する.

連絡先

堤(1315, tsutsumi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週 月曜日 10時10分から11時55分 国文学研究室(総合科学部1号館3階)