2008年度 徳島大学 共通教育 教養科目群 — 毎年(後期)

歴史と文化 / ゼミナール 「日独比較文化ゼミナール」

History and Culture / Seminar: Japanese-German Comparative Culture

平成19年度以前の授業科目:『歴史と文化 / ゼミナール 「日独比較文化ゼミナール」』

平成16年度以前 (医保は17年度以前) の授業科目:『人文科学ゼミナール / ゼミナール 「日独比較文化ゼミナール」』

教授・石川 榮作

2単位

 水(3・4) 全(全)

授業の目的

ドイツと日本の文学作品の中でも最も有名な二作品を読むことによって,文学作品のおもしろさを理解して,豊かな人間性を培うことを目的とします.

授業の概要

ドイツ中世英雄叙事詩の傑作『ニーベルンゲンの歌』と日本古典文学の『平家物語』は成立年代だけではなく,さまざまな点で共通点があります.本ゼミナールではその中でも「滅びの悲劇」という共通点に焦点を合わせて,悲劇の中で英雄たちはどのように生きたのか,悲劇の中の英雄群像を探っていくことにします.

キーワード

ニーベルンゲンの歌,平家物語,英雄叙事詩,軍記物語,比較文学

到達目標

1.『ニーベルンゲンの歌』と『平家物語』の共通点と相違点を理解し,文章でそれを表現することができる.

授業の計画

1.オリエンテーション(二作品について)
2.序章 両作品の成立と展開
3.第一章 クリエムヒルトの「鷹の夢」と「祇王」哀歌
4.第二章 ジーフリトと高倉天皇-----中世的ミンネと王朝風恋愛-----
5.第三章 ジーフリトと平清盛-----暗殺とあっち死に-----
6.第四章 トロネゲのハゲネーー獰猛なゲルマン勇士ーー
7.第五章 木曾義仲ーー信濃の田舎武将ーー
8.第六章 源義経-----合戦の武将·悲運の名将-----(1)
9.第六章 源義経-----合戦の武将·悲運の名将-----(2)
10.第七章 リュエデゲールと敦盛と忠度-----悲劇の中の武将たち-----
11.第八章 クリエムヒルトと二位殿と建礼門院-----悲劇の中の女性たち-----
12.終章---- 物語構造の特質----
13.補説 両作品の受容史
14.各自設定テーマについて報告
15.総括授業
16.定期試験(レポート提出)

成績評価の方法

授業への取り組みとレポートにより評価します.定期試験はレポート提出です.

再試験の有無

なし

教科書

プリントを配付します.

参考書

石川栄作著:『ニーベルンゲンの歌』を読む,石川栄作著:ジークフリート伝説ーーワーグナー『指環』の源流 (いずれも講談社学術文庫)

連絡先

石川(088-656-7142, ishikawa@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 毎週 火曜日15時から16時まで 石川研究室(総合科学部1号館)

備考

受講者数は,ゼミナール形式のため,15名前後にしたいと思います.