科学と人間
目的
科学技術がもたらした環境の改変と人間の生活との関連について考察することは,科学技術が発展した現代社会を生きるすべての人にとって必須である.この授業は,とくに吉野川流域の自然環境を題材として,科学と自然・科学と人間について総合的に学習することを目的とする.この授業は,文科省現代的教育ニーズ取組支援プログラム「豊饒な吉野川を持続可能とする共生環境教育」関連授業である.
概要
開発と環境保全といった現代的な,きわめて複雑な問題について考察するためには,自然科学のみならず,人文科学・社会科学を含むさまざまな立場からの解明と,それぞれの学知の相互交流による新たな視座の構築が緊急に求められている.そうした問題意識に立って,この授業では,学内の哲学・地理学・心理学・物理学・化学・生物学の研究者がそれぞれの立場から開発や環境保全について検討する講義を行う.また学外から,社会学・防災科学などの専門家や,行政・NPO法人で実際に活動を行っている方々を非常勤講師としてお招きする予定である.講義は「地学・地理学から見た吉野川」「植物学から見た吉野川」「環境保全と吉野川」の3セクションに分かれ,それぞれのセクション終了時に総括を行う.毎回,講義を受けての学生の意見をマークシートを用いたアンケートによって効率よく収集し,翌週にコメントを返すことで,受講する学生の全員が授業に参加できるようにする.
関連科目
注意
この講義では学生諸君が自らの考えを表明し,考えをまとめていくことを重視します.毎回の授業にきちんと取り組み,コメントカードへの記入や課題などをまじめにこなしてください.
目標
1. | 「吉野川の環境」という切り口から,大学における諸学問の特徴と研究方法を知り,複合的な視点によって複雑な現実を理解するための手掛かりを得ること. |
計画
1. | 導入 |
2. | 四国の地質と吉野川(石田啓祐・徳島大学総合科学部教授) |
3. | わが心のふるさと吉野川∼吉野川の自然を守る住民運動を中心に(佐野) |
4. | 吉野川流域の地形環境(古田昇・徳島文理大学文学部教授) |
5. | 防災とGIS(地理情報システム)-来るべき南海地震に備えて-(山田博幸・防災科学技術研究所研究員) |
6. | 第1セクション「地学・地理学から見た吉野川」総括 |
7. | 徳島県の植物の多様性(山城) |
8. | 剣山系の植物(NPO法人剣山クラブ) |
9. | 徳島県の野生植物の保全(小川誠・徳島県立博物館学芸員) |
10. | 第2セクション「植物学から見た吉野川」総括 |
11. | 吉野川の河川整備と環境保全(国土交通省徳島河川国道事務所) |
12. | 環境とゴミ(三好,小山) |
13. | 同上,2 |
14. | 第3セクション「環境保全と吉野川」総括 |
15. | 全体のまとめ・授業アンケートの結果報告 |
評価
コメントカード,課題,授業への取り組みやディスカッションへの発言などによって総合的に評価する.なお,無断欠席や遅刻は減点対象.3分の1以上の欠席は不可(再履修).
再評価
行わない
教科書
授業の中で紹介します.
連絡先
- オフィスアワー: 木曜12:00-13:00
- オフィスアワー: 火曜日と木曜日12:00∼13:00
- オフィスアワー: 火曜日10:30∼12:00 3号館1F 学習支援室