日本史研究I
教授・桑原 恵
2単位
目的
日本近世から近代にかけての思想史について講義する.思想史という分野では,思想を分析することから,その時代の人々の意識を明らかにし,その時代についての理解を深めることを目指している.今年度は,自己形成と地域,「公共社会」との関係について考察していきたい.
概要
江戸時代後期の社会において,自己形成するための「地域」や「公共社会」との関わりについて,思想形成・歴史認識の観点から考察する.
キーワード
日本近世,明治初期,思想·文化,国民教化,政治運動
関連科目
注意
史料を配布して,講義を進めるが,受講生の意見や質問も受けながら,講義を進めたい.積極的に講義に参加されることを期待する.
目標
1. | 江戸時代中期から明治維新期に政治思想として展開した尊皇思想について,理解を深め,問題性を認識する. |
計画
1. | 講義の論点と資料などの説明 |
2. | 江戸中期の神道思想について |
3. | 垂加神道の特徴と,文化理解 |
4. | 古事記解釈の多様性 |
5. | 古事記を重視することの意味 |
6. | 記紀神話と尊皇思想 |
7. | 儒学思想と尊皇思想の関わり |
8. | 幕末期の政治運動思想における尊皇 |
9. | 尊皇思想と政治運動 |
10. | 明治維新の政治過程と尊皇思想の歴史性 |
11. | 尊王攘夷思想における「正義」 |
12. | 玉虫色の「正義」 |
13. | 明治初期反政府活動 |
14. | 国民の育成と天皇制国家--明治国家の矛盾-- |
評価
出席状況に加えて,平常点としての小テストを2回程度行い,期末テストの成績を合わせて,総合的な評価を行う.
再評価
行わない.
教科書
教科書や参考書は,特に指定しない.講義に使用するプリントは適宜配布する.
連絡先
桑原(088-656-7157, megumi@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 前後期とも,水曜日11時50分∼12時50分