日本史研究II
准教授・衣川 仁
2単位
目的
平安時代の末から鎌倉時代にかけては,「貴族の時代」から「武士の時代」への変化の過程として古くから把握されてきた.実際そのような側面は否定できないが,現在の通説では既にそれ以前から古代∼中世への変化は始まっており,幕府の成立は関東に一つの政権が誕生したに過ぎないとする見方もある.この講義では,具体的に貴族・武士のみならず,宗教勢力や民衆の動向も含めた社会全般の変化を検証することで,「源平合戦」と言われてきた平安末内乱の歴史的意義を考察することを目的とする.
概要
平安末内乱期の前後の歴史過程を明らかにし,公武世俗権力および寺院勢力と社会との歴史的連関を踏まえて,その特質を解明していく.
キーワード
院政期,平氏政権,寺院勢力,鎌倉幕府
関連科目
注意
史料にもとづいて講義する.わかりやすく解説するつもりであるが,各自でも予習·復習や質問等によって,その内容理解に努めてほしい.
目標
1. | 平安時代から鎌倉時代にかけての社会の大きな変化とその特質を理解する. |
計画
1. | ガイダンス |
2. | 前提としての院政期 |
3. | 寺院勢力と公家政権 |
4. | 「ムサノ世」へ |
5. | 平安京と戦乱 |
6. | 平氏政権と院政 |
7. | 法皇幽閉と以仁王の挙兵 |
8. | 福原遷都 |
9. | 平家の都落ち |
10. | 内乱の祈り |
11. | 南都復興 |
12. | 内乱後の社会 |
評価
主として期末試験により評価するが,出席・コメントなど授業への取り組みも勘案する.
再評価
なし
教科書
プリント等を配布する.
連絡先
衣川(088-656-7153, kinugawa@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
- オフィスアワー: 火曜日12時50分∼14時20分