文化人類学研究I
教授・髙橋 晋一
2単位
目的
文化人類学の中心的なテーマについて講義する.世界の諸民族の事例を通して,人間の文化·社会の多様性と普遍性について考察し,異文化(および自文化)の構造や意味を客観的に理解するための視点を修得することが本講義の目的である.グローバリゼーションの中での現代文化·社会のダイナミズムにも十分な留意を払いながら講義を進めていきたい.
概要
文化人類学の基本問題
キーワード
文化,現代社会,グローバリゼーション
注意
受講者の理解を助けるため,授業の中ではDVD・ビデオ,スライド,パソコン(パワーポイントによるプレゼンテーション)などの視聴覚教材を多用する.フィールドワークを「疑似体験」しながら,文化現象の意味について考えてもらいたい. なお,文化人類学研究I(概説·来年度開講予定)と文化人類学研究II(特論·本年度開講)は,隔年で交互に開講される.
目標
1. | 人間の文化·社会の多様性·普遍性について理解し,異文化(自文化)の構造や意味を客観的·相対的にとらえることができる. |
計画
1. | 文化人類学のパースペクティヴ |
2. | 「ことば」と認識-言語文化へのアプローチ |
3. | 人生のステップを超える-通過儀礼の構造と意味 |
4. | 交換とコミュニケーション-贈り物の文化論 |
5. | 信仰と価値のシステム-宗教文化へのアプローチ |
6. | 環境の人類誌-環境への適応戦略と経済システム |
7. | ジェンダーの人類学-男になる·女になるということ |
8. | 現代医療と文化-新生殖技術をめぐって |
9. | メディア·映像の人類学-文化の実像と虚像 |
10. | グローバル化と文化変容-地球時代の文化のダイナミズム |
11. | 観光が創り出す文化-文化の客体化と再構成 |
12. | ポピュラー音楽と国民国家の創成-インドネシアの事例より |
13. | 民族の「はざま」を生きる-ディアスポラとエスニック·アイデンティティ |
14. | 「民族」の生成と論理-「民族」はいかに作られるか |
15. | 「転換期」の時代の文化人類学 |
16. | まとめ |
評価
本授業の成績評価は,授業への取り組み状況,授業時間中に随時行う小テスト(各回の授業内容の理解度を確認する簡単なテスト)の点数,期末レポートの点数を総合して行う.
再評価
なし
教科書
教科書は使用しない.毎回,授業中にプリントを配布する.講義全体に関わる概論的な参考書を以下に挙げるが,個々のトピックに関する参考書については,講義の中で随時紹介する.
山下晋司編『文化人類入門-古典と現代をつなぐ20のモデル』弘文堂,2005年
中島成久編『グローバリゼーションのなかの文化人類学案内』明石書店,2003年
山口昌男『文化人類学への招待』岩波新書,1982年
山下晋司·船曳建夫編『文化人類学キーワード』新曜社,1997年
連絡先
- オフィスアワー: (前期)水曜日 12時∼13時
備考
隔年開講(本年度開講せず)