2008年度 工学部 建設工学科 昼間コース — [選択必修(B)] 3年(前期)

材料•構造力学

Reinforced Concrete Mechanics

教授・橋本 親典, 助教・渡邉 健

2単位

目的

現在の社会基盤整備を支えており,鋼構造とともに建設構造物の主要な構成要素である鉄筋コンクリート構造物を,合理的でかつ経済的に造ろうとする場合,鉄筋コンクリート独特の力学に関する知識が要求される.本講義では,鉄筋コンクリート力学に関する基礎技術について講義し,レポートを実施する.建設工学の専門応用科目群の1分野である鉄筋コンクリート工学に関連する実務問題に正しく適用できる能力を養い,鉄筋コンクリート構造物の設計に必要な基礎知識を修得させる.

概要

鉄筋コンクリートの特徴ならびにコンクリートと鉄筋の力学的性質について講義し,実際に設計に必要な曲げ耐力,曲げと軸方向力に対する耐力,せん断耐力について,力学的観点から理解させる.また,曲げ応力度,ひび割れ,ねじり耐力,疲労設計や定着等の設計項目についても言及する.

キーワード

鉄筋コンクリート,限界状態設計法,曲げ耐力,曲げ応力度,せん断耐力

要件

1 年後期開講の「構造の力学1 及び演習」,2 年前期開講の「構造の力学2及び演習」,2 年後期開講の「構造の力学3及び演習」およびを2 年後期開講の「コンクリート工学」を受講していることが望ましい.

注意

なし

目標

1.限界状態設計の概念を理解するために,鉄筋コンクリートの特徴および鉄筋とコンクリートの応力ひずみ関係を理解し,等価応力ブロックの算定方法,鉄筋コンクリート部材の曲げ耐力の算定方法を習得する.
2.鉄筋コンクリート部材の曲げ応力度と曲げひび割れ幅の算定方法,ならびに,曲げと軸力を受ける部材の耐荷力およびせん断耐力の算定方法を習得する.

計画

1.ガイダンスおよび鉄筋コンクリートの特徴
2.コンクリートおよび鉄筋の力学的性質
3.限界状態設計法と部分安全係数(限界状態設計法の基本的考え)
4.限界状態設計法と部分安全係数(部分安全係数の基本的考え)
5.断面の曲げ耐力(等価応力ブロック)
6.断面の曲げ耐力(曲げ耐力の算定式)
7.中間試験(到達目標1)
8.曲げと軸方向力に対する断面の耐力(基本的考え方)
9.曲げと軸方向力に対する断面の耐力(例題に基づく相互作用図の作成)
10.曲げと軸方向力に対する断面の耐力(レポート3の解説)
11.曲げ応力度
12.曲げひび割れ幅に対する検討
13.棒部材のせん断耐力(斜めひび割れ発生時のせん断耐力の算定)
14.棒部材のせん断耐力(せん断補強鉄筋降伏時のせん断耐力の算定)
15.せん断耐力と曲げ耐力の関係·構造物の破壊形式
16.期末試験(到達目標2)および授業評価アンケートの実施

評価

到達目標1の達成度を,レポート1とレポート2の割合を1:1として算出される評点により評価し,レポート評価点と中間試験の評価点を1:1として評点を算出し,評点が60%以上を等目標のクリア条件とする.到達目標2の達成度を,レポート3とレポート4の割合を1:1:1として算出される評点により評価し,レポート評価点と期末試験の評価点を1:1として評点を算出し,評点が60%以上を等目標のクリア条件とする.2つの到達目標をクリアした場合を合格とし,成績は,到達目標1と到達目標2の評点の平均値として算出する.

JABEE合格

[成績評価]と同一である.

JABEE関連

本学科の教育目標の3(3)100%に対応する.

対象学生

開講コースと同学科の夜間主コース学生も履修可能

教科書

岡村甫·前田詔一「鉄筋コンクリート工学」市ヶ谷出版

参考資料

吉川「鉄筋コンクリートの解析と設計」丸善

土木学会編,池田·小柳·角田著「(新体系土木工学32) 鉄筋コンクリートの力学」技報堂出版

田辺·檜貝·梅原·二羽「コンクリート構造」朝倉書店

村田二郎編「入門鉄筋コンクリート工学」技報堂出版

連絡先

橋本(A505, 088-656-7321, chika@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 2005年度前期:金曜日14:35∼16:05<昼間コース>,火曜日18:00∼19:30<夜間主コース>

備考

レポートは提出期限を厳守すること.なお,中間試験の日程は,講義の進度と日程によって変動するので,注意すること.