2008年度 工学部 光応用工学科 昼間コース — [選択(A)] 3年(前期)

分光分析学

Spectroscopic Analysis

講師・手塚 美彦

2単位

目的

物質の構造や性質を調べる手段として,分光学はなくてはならないものとなっている. この講義では,種々の波長の光と物質との相互作用からそれらの波長を用いた分光法の原理を理解し,装置の構成や測定法について学ぶ. さらに演習を通じて,スペクトルから分子の構造決定ができる能力を養う.

概要

種々の分光法の原理·装置構成·測定法について各波長領域別に解説する. 後半には,それらのスペクトルを実際に用いた分子の構造決定について解説し,同時に演習を行う.

要件

「分子工学」,「化学反応論1」,「化学反応論2」,「光化学」の単位を修得していることが望ましい.

目標

1.各種X線分光法の原理を理解し,分析対象に対して適切な方法を選択することができる.紫外·可視領域の光を用いた分光法の原理を理解し,分子構造の解析や試料の濃度決定に利用することができる.磁場を用いた分光法の原理を量子化学の立場から説明することができる.分光分析に使用されるレーザーの種類を知り,レーザーの基本的な発振原理が説明できる.赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクトルを用いて,単純な有機化合物の構造解析ができる.

計画

1.分光学の基礎(光と物質の相互作用)
2.蛍光X線分析
3.X線光電子分光法
4.X線回折·X線結晶構造解析
5.紫外·可視吸収スペクトル
6.蛍光スペクトル
7.レーザーとレーザーを用いた分光法
8.光学活性物質の旋光度と円二色性スペクトル
9.中間試験
10.赤外吸収スペクトル
11.電子スピン共鳴(ESR)スペクトル
12.核磁気共鳴(NMR)スペクトル
13.スペクトルによる有機化合物の構造解析1
14.スペクトルによる有機化合物の構造解析2
15.スペクトルによる有機化合物の構造解析3
16.期末試験

評価

授業の到達目標が達成され,特に各種分光法の原理が理解できているかどうかを評価する.配点は,中間試験40%,期末試験40%,講義への取り組み状況20%とし,全体で60%以上を合格とする.

JABEE合格

JABEE合格は単位合格と同一とする.

JABEE関連

B

教科書

入門機器分析化学(三共出版)

参考資料

1)J.R.Dyer著,柿沢 寛 訳「吸収スペクトルの応用」東京化学同人

2)「機器分析の手引き(1),(2),(3)」化学同人

3)大矢博昭·山内 淳 著「電子スピン共鳴」講談社サイエンティフフィク

4)高分子学会編「入門レーザー応用技術」共立出版

連絡先

307号室 TEL:088-656-9423,E-mail: ytezuka@opt.tokushima-u.ac.jp

備考

)「分子工学」及び「化学反応論1·2」の履修を前提として講義する.