2008年度 工学部 機械工学科 夜間主コース — [選択] 4年(後期)

精密計測学

Precision Measurement

教授・英 崇夫

2単位

目的

自然の仕組みと社会のニーズを橋渡しするのが工学である. 自然の仕組みを理解し,それを用いて 新しいものの開発をするために,測定がいかに大切であるかということを学ぶ. 正確で精密な測定によって,事実を きちんと事実として見つめられるような技術者になることを目指す.

概要

機械工学における計測の重要性を認識するとともに,機械部品を加工·生産することにおいて重要な関わ りのある計測の原理と方法について理解を深める. 計測の基礎である誤差についての正しい理解をし,高精度測定, 測定の自動化,オンラインデータ処理法などの近代化された生産体系の中に,測定手法がいかに組み込まれているか を学ぶ.

キーワード

測定,誤差,長さ測定,自動測定,A-D変換

関連科目

超精密加工

要件

測定系には機械要素,材料,電気,光学,流体など様々な分野が総合的に駆使されて成り立っているので,これらに関する初歩的な知識を要する.

注意

受講の前には必ず該当部分の予習が必要です.また,講義中にはメモを取り,それに基づいて自分のノートを作成することが大切です.理解できた部分と理解できなかった部分をはっきりさせ,後者について時を置かず自ら調べる努力をしよう.

目標

1.機械工学における計測の重要性を理解する.
2.偶然誤差および系統誤差の概念とそれらの処理法を理解する.
3.系統誤差の要因を理解する.
4.各種寸法測定の原理を理解する.
5.A-D変換とその具体的方法を理解する.

計画

1.計測の基礎(自然科学と工学技術)
2.計測の基礎(機械工学と計測)
3.長さ測定の基準(メートル基準,ブロックゲージ)
4.偶然誤差と系統誤差
5.寸法精度の測定(絶対測長と比較測長)
6.測定誤差(温度による測定誤差)
7.測定誤差(弾性変形による測定誤差)
8.測定器の原理と構造(機械的測定)
9.測定器の原理と構造(光学的測定)
10.測定器の原理と構造(流体的測定)
11.測定器の原理と構造(電気的測定)
12.測定の自動化(自動測定機器,自動組合わせ機器)
13.ディジタル計測(A-D変換の原理)
14.角度の測定
15.表面粗さの測定
16.定期試験

評価

宿題に対する回答,定期試験の総合点で評価する.日常の学習態度を重視するため,平常点と定期試験の成績比率は50:50とする.4回以上の欠席は単位を与えない.再試験は当該学期に1回行う場合がある.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

築添正著「精密計測学」養賢堂

参考資料

大西義英著「計測工学」理工新社

青木繁著「精密測定1,2」コロナ社

谷口修,堀米泰雄共著「計測工学」森北出版

沢辺監修「知りたい測定の自動化」ジャパンマシニスト社

連絡先

M317, Tel:656-7377, hanabusa@me.tokushima-u.ac.jp

備考

測定系には機械要素,材料,電気,光学,流体などさまざまな分野が総合的に駆使されて成り立っているので, これらに関する初歩的な知識を要する. また,講義後には講義中のメモに基づいて自分のノートを整理し,内容とまとめの補完をすることが大切である.