2008年度 工学部 知能情報工学科 夜間主コース — [選択] 2年(後期)

電気回路1

Electrical Circuit Theory (I)

教授・島本 隆

2単位

目的

電気電子工学の重要な基礎科目として,直流回路および交流回路の解析に必要な基礎知識を修得する.

概要

直流回路においてはオームの法則と2つのキルヒホッフの法則,電圧源および電流源,回路解析について学ぶ.交流回路においては正弦波交流電源や,抵抗,インダクタおよびキャパシタの線形素子からなる回路の定常状態における解析をするため,記号法と呼ばれる手法を学ぶ.さらに,回路解析でよく利用される諸法則について学ぶ.

先行科目

工業基礎数学

要件

電気数学の内容,特に行列演算,ベクトル,三角関数等が重要であり,これらの内容を復習しておくことが望ましい.

目標

1.直流電源,抵抗素子とその直並列接続,オームの法則,キルヒホッフの法則,回路解析手法,重ね合わせの理を理解し,それらを用いて直流回路解析ができる.
2.交流電源(正弦波電源),キャパシタとインダクタの素子特性,記号法を用いた解析手順を理解し,それらを用いて交流回路解析ができる.また電力の求め方を理解している.
3.等価回路,ブリッジ回路,周波数特性,整合等の回路解析に有用な諸定理を理解し,それらを回路解析に利用できる.

計画

1.抵抗の素子特性,オームの法則,直流電源,抵抗の直並列接続と合成抵抗,電力
2.キルヒホッフの電流則と電圧則
3.節点解析·網目解析·混合解析の手順,重ね合わせの理
4.中間試験(到達目標 1 の評価)
5.正弦波,振幅,角周波数,位相,瞬時値,実効値,交流電源
6.キャパシタの素子特性,インダクタの素子特性
7.複素指数関数,オイラーの公式,複素数の実部と虚部,複素抵抗
8.記号法の解析手順,複素インピーダンス,記号法を用いた回路解析
9.合成インピーダンス,キルヒホッフの法則·回路解析手法の交流回路への適用
10.瞬時電力,複素電力,有効電力,無効電力,皮相電力,力率
11.中間試験(到達目標 2 の評価)
12.線形性等の回路の性質,交流回路の重ね合わせの理,電力の重ね合わせ
13.テブナンの定理と等価回路,ノートンの定理と等価回路,Δ-Y変換
14.ブリッジ回路と平衡条件,定抵抗回路,共振回路,整合
15.期末試験(到達目標 3 の評価)
16.試験の返却とまとめ

評価

到達目標の3項目が各々達成されているかを試験80%,平常点(演習レポートや出席状況)20% で評価し,3項目平均で60%以上あれば合格とする.

対象学生

他学科学生も履修可能

教科書

川上,島本,西尾共著「例題と課題で学ぶ電気回路-線形回路の定常解析-」コロナ社

参考資料

山口勝也 他著「詳解電気回路例題演習(1),(2)」コロナ社

連絡先

島本(E棟3階南 D-5, 088-656-7483, simamoto@ee.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度毎に学科の掲示,あるいは居室前の掲示を参照すること