2008年度 先端技術科学教育部 環境創生工学専攻 生命テクノサイエンスコース 博士前期課程

生物物理化学特論

Advanced Biophysical Chemistry

教授・松木 均

2単位

形態

講義

目的

生体分子の溶解した溶液の取り扱い方およびその取り扱いを用いた生体分子集合体と生理活性物質の間に働く相互作用の解析方法を講述する.

概要

本講義の前半部分では,生体分子が作用発現する場である溶液について巨視的,微視的および電気化学的側面について講述する.後半部分では,生体分子が形成する分子集合体と生理活性物質の間に働く相互作用として脂質二分子膜中へのリガンド分配を取り上げる.上述した内容を踏まえ,過去から現在までの麻酔作用の分子機構について解説する.さらに相互作用の工学的応用(ドラッグデリバリーシステムなど)についても述べる.本科目は,工業に関する科目である.

キーワード

溶液,分子集合体,リガンド,相互作用,麻酔機構

関連科目

生体熱力学

要件

学部教育における物理化学および生物物理化学を理解していること.

目標

1.溶液の巨視的,微視的および電気化学的取り扱いを理解する.
2.生体高分子中へのリガンドの分配様式および麻酔分子機構を理解する.

計画

1.生体関連物質の溶液化学(1)溶液の熱力学1
2.生体関連物質の溶液化学(2)溶液の熱力学2
3.生体関連物質の溶液化学(3)溶液の熱力学3
4.生体関連物質の溶液化学(4)溶液の統計熱力学1
5.生体関連物質の溶液化学(5)溶液の統計熱力学2
6.生体関連物質の溶液化学(6)溶液の統計熱力学3
7.生体関連物質の溶液化学(7)溶液の電気化学1
8.生体関連物質の溶液化学(8)溶液の電気化学2
9.生体高分子と生理活性物質の相互作用(1)脂質膜中へのリガンド分配1
10.生体高分子と生理活性物質の相互作用(2)脂質膜中へのリガンド分配2
11.生体高分子と生理活性物質の相互作用(3)リガンド解離平衡の影響
12.生体高分子と生理活性物質の相互作用(4)麻酔機構1
13.生体高分子と生理活性物質の相互作用(5)麻酔機構2
14.生体高分子と生理活性物質の相互作用(6)麻酔機構3
15.生体高分子と生理活性物質の相互作用(7)局所麻酔薬の作用機構
16.総括,質疑,レポート作成

評価

出席率80%以上で,課題レポート(100%)で評価する.

対象学生

開講コース学生のみ履修可能

教科書

授業中に適宜資料を配布する.

参考資料

本村欣士著「溶液化学」朝倉書店

連絡先

松木(化生棟607, 088-656-7513, matsuki@bio.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
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