2008年度 先端技術科学教育部 知的力学システム工学専攻 建設創造システム工学コース 博士前期課程

水資源工学特論

Advanced Water Resouces Engineering

准教授・蒋 景彩, 准教授・田村 隆雄

4単位

形態

講義

目的

1. 河川流域を対象として,雨水・物質流出モデルとその理論について修得することを目的とする. 2. 斜面工学に関する専門的な知識を習得し,安定問題の解析法,せん断強度の決定法と斜面対策工の設計法を修得することを目的とする.

概要

前半では,河道内洪水流下過程を,線形および非線形集合(lumped)洪水追跡モデルとキネマチック分布(distributed) 洪水追跡モデルで表現する手法について学ぶ.それぞれのモデルと理論について例題解説を加えることにより,理論の習熟と理解を促す.そして,流出モデルを使用した森林の水源かん養機能や水質浄化機能に関する最近の研究成果について講述する.最後に,各項目に関する演習問題に対する解答をレポートで提出してもらう. 後半では,まず斜面崩壊現象を概説し,斜面安定解析法の種類と特徴を解説する.次に,土のせん断強度のタイプと強度定数の決定法を論じ,斜面対策工の設計法を講述する.最後に斜面工学の新しい展開を概観する.本科目は,工業に関する科目である.

キーワード

線形および非線形集合(lumped)洪水追跡モデル,キネマチック分布(distributed)洪水追跡モデル,安定解析,せん断強度,斜面対策工

要件

特になし

目標

1.線形および非線形集合(lumped) 洪水追跡モデルとキネマチック分布(distributed)洪水追跡モデルの特性と理論を習熟し,理解する.
2.森林の水源涵養機能,水質浄化機能の評価手法ならびに研究成果について理解する.
3.斜面破壊現象,斜面安定解析法の種類と特徴および土のせん断強度とその決定法を習熟し,斜面対策工の種類と設計法の概要を理解する.

計画

1.単位図法
2.応答関数
3.ユニットハイドログラフの推定
4.集中型洪水追跡法
5.ルンゲークッタ法
6.マスキンガム洪水追跡法
7.線形貯水池モデル
8.分布型洪水追跡とモデルの分類
9.キネマチック• ウェーブの伝播速度
10.キネマチック• ウェーブ法の解析解
11.有限差分近似
12.キネマチック• ウェーブ法の数値解析
13.マスキンガムーキュンジ法
14.森林の水源涵養機能
15.森林の水質浄化機能
16.森林の水源涵養機能と水質浄化機能に関する新しい展開
17.斜面崩壊事例と破壊要因
18.斜面安定解析法の種類と特徴(その1)
19.斜面安定解析法の種類と特徴(その2)
20.斜面安定解析法の種類と特徴(その3)
21.斜面安定解析における水圧の考え方 レポート1
22.斜面およびすべり面のせん断強度
23.調査と原位置試験によるせん断強度の決め方
24.土質力学試験によるせん断強度の決め方
25.逆解析によるせん断強度の決め方(その1)
26.逆解析によるせん断強度の決め方(その2) レポート2
27.斜面対策工(抑制工)
28.斜面対策工(アンカー工と杭工)
29.斜面対策工(土の補強)
30.斜面対策工(その他)
31.斜面工学の新しい展開 レポート3
32.期末試験

評価

レポートとテストで総合的に判定する.

教科書

講義中に資料を配付

参考資料

斜面の安定・変形解析入門-基礎から実例まで-,地盤工学会,2006.

連絡先

蒋(A311, 088-656-7346, jiang@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること
田村(A414, 088-656-9407, tamura@ce.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 年度ごとに学科の掲示を参照すること