2008年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 欧米文化 — 1年(前期), 2年(前期)

哲学的人間論I

教授・石田 三千雄

2単位

目的

レヴィナスの著作を精読することにより,人間の根源的なあり方,倫理の形而上学を考える.

概要

レヴィナスの『全体性と無限』を読むことによって,全体性によっては捉えられないものを考察する.哲学は普遍的真理を目指してつねに「全体性」の概念に支配されてきた.全体性は自己同一的な自足した完結性であるが,無限は全体がおのれを閉じるときつねにその外部の余剰としてあらわになる.レヴィナスに従って,隔たりにおいて出会う他との関係を主体性として考えてみたい.

キーワード

全体,無限,隔たり,形而上学,顔

注意

初級文法程度のフランス語の能力があることが望ましい.

目標

1.人間を他者との関連で深く考えること

計画

1.1 ガイダンス
2.2∼3 真理と正義
3.4∼5 分離と絶対的なもの(1)
4.6∼7 分離と絶対的なもの(2)
5.8∼9 生としての分離(1)
6.10∼11 生としての分離(2)
7.12∼13 享受と表象(1)
8.14 享受と表象(2)
9.15 レポートの課題提示
10.16 総括授業

評価

授業への取り組み,発表および発言を総合的に評価する.

教科書

E.レヴィナス,熊野訳『全体性と無限』(岩波文庫)

連絡先

石田(2328, 088-656-7147, mishida@ias.tokushima-u.ac(no-spam).jp)
オフィスアワー: 水曜14時から15時