2008年度 人間·自然環境研究科 人間環境専攻 修士課程 選択科目 アジア文化 — 1年(前期), 2年(前期)

日本言語文化環境論

教授・原水 民樹

2単位

目的

京都大学国文学研究室蔵本を中心に据えて,平治物語の本文の作られ方や諸本体系中の位置を究明することを目的とするとともに,文献学的研究の基本となる本文批判の方法を教授する.この授業により,古典作品を本格的に研究するためには異本の問題が重要であることを認識し,異本の派生・本文変容の実情に対する考究のあり方を平治物語を素材として体得することを到達目標とする.

概要

京都大学国文学研究室蔵本を中心に据えて,主要な異本である陽明・学習院本,金刀本,流布本,半井本の本文と比較対照しながら,該本形成の実態を具体的に追い,ひいては,諸本体系中への位置づけやその特質とうについて検討を加える.受講生は毎回詳細な校本を作成した上で十分に予習し,問題点を明確化させた上で授業に臨まなければならない.日本古典文学に関する基本的知識を有すること,及び変体かなを解読できる学力を有することが受講条件である.

キーワード

平治物語,校合,異本の形成

目標

1.高度の本文批判の習得
2.異本の派生の的確な認識

計画

1.講義の進め方の説明
2.信頼,信西を亡ぼすことの段の本文批判
3.三条殿へ発向,攻撃の段の本文批判
4.信西の子息探索及び義平のことの段の本文批判
5.信西の首実検の段の本文批判
6.比叡山物語の段の本文批判
7.唐僧来朝の段の本文批判
8.六波羅早馬の段の本文批判
9.光頼参内の段の本文批判
10.信西の子息流罪の段の本文批判
11.清盛六波羅到着の段の本文批判
12.六波羅行幸の段の本文批判
13.源氏そろえの段の本文批判(1)
14.源氏そろえの段の本文批判(2)
15.まとめ
16.レポート

評価

毎回提出の資料及び発表の内容,最終のレポートを総合して判断·評価する.

再評価

行わない

教科書

教科書及び参考書については当方で作成した複写を実費で頒布する.

連絡先

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