2008年度 保健科学教育部 保健学専攻 看護学領域 博士前期課程

地域看護学特論Ⅱ

Advanced Community Health Nursing 2

教授・谷岡 哲也

2単位

目的

地域·精神看護学の視点から,精神保健医療福祉に関する制度や体制についての変遷や背景を学ぶ.また精神保健医療福祉の動向を踏まえて,精神保健に問題を抱える人の健康管理を支援するための第一次予防から第三次予防までのヘルスケアシステムの課題を検討する.そのなかで精神保健福祉にかかわる看護職の役割や機能についての理解を深める.

概要

精神保健医療·看護の歴史,精神保健福祉に関する法制度の変遷,国際的な動向などについて文献や統計資料を通して検討する.また,セルフヘルプグループ,患者会活動,家族会活動など,当事者運動に関する文献を基にして当事者の立場からわが国が抱えている精神保健福祉の問題を把握する.これらを通して地域看護の観点から精神保健福祉において看護職が果たすべき役割について探求する.

キーワード

地域看護,地域精神保健

注意

教員は,この教科を学習するための方法と枠組みを提供するが,大学院生は積極的に参加すること.

目標

1.地域看護の観点から地域精神保健において看護職が果たすべき役割について明確にする.

計画

1.地域精神保健福祉活動の概要
2.精神保健医療および看護の歴史
3.精神保健福祉に関する法制度の変遷
4.精神医療の国際的動向と日本の現状
5.慢性期の精神障害者の社会的入院
6.精神障害者のためのヘルスケアシステム(一次予防から三次予防の円滑な連携)
7.ストレスと不適応
8.ライフサイクルにおける不適応問題
9.精神障害の把握と危機介入
10.精神障害の把握とケアマネジメント
11.地域ケアとソーシャルサポートネットワーク作り
12.地域精神保健活動の展開
13.精神障害の再発予防と心理教育的アプローチによる家族援助
14.地域住民のこころの健康づくり
15.ノーマライゼーションと精神障害者の生活の質
16.レポート作成

参考資料

1)Kevin Corcoran編著,永峰勲,谷岡哲也ほか監訳:『精神保健に問題を抱える人への介入の構造化;効果的な実践のために』,西日本法規出版,2005年

2)吉川武彦著:『精神保健マニュアル』,南山堂,2003年

3)公衆衛生精神保健研究会著:『ケアマネジメントと地域生活支援,精神保健福祉の新たな展開』,中央法規出版,1998年

4)後藤雅博編:『家族教室のすすめ方,心理教育的アプローチによる家族援助の実際』,金剛出版,1998年

5)宮本真巳編集:『精神看護学』,中央法規出版,2000年

連絡先

谷岡(088-633-9021, tanioka@medsci.tokushima-u.ac(no-spam).jp)