解剖学(1)C 講義
Anatomy(1)
形態
講義
授業目的
人体解剖学は,体を骨格系や内臓系などの系統別に分けて論ずる系統解剖学と,体の各領域について,異なる系統のものも一括して,そこの構造全体を対象として論ずる局所解剖学に分けられる.解剖(1)A・Bは系統解剖学的に人体を理解しようとするものである.これに対して,解剖学(1)Cでは,歯科医師に必要な頭頸部(顎顔面口腔領域を中心とする)の構造を局所解剖学的に学習するとともに,頭頸部諸構造の個体発生を学習し,頭頸部の総括的な捉え方を修得する.
授業概要
歯科医師として必要な頭頸部(顎顔面口腔領域を中心とする)の局所解剖学的知識を,頭頸部の部位毎に学習するとともに,頭頸部の骨格系や筋系,および神経系や内臓系の個体発生を総括的に学習する.非常勤講師による特別講義は解剖学への学生の興味を高めるためのもので,解剖学におけるトピックス的事項や局所解剖学的事項をテーマに実施される.
授業テーマ
顎顔面口腔領域の構造を局所解剖学的ならびに個体発生学的に捉える.
キーワード
頭頸部,口腔,咽頭,顎関節,三叉神経
先行科目
授業方法
講義(スライド,プリント)
授業場所
第2講義室
到達目標(<>はコアカリ対応)
1. | 口唇と頬,口腔前庭,口蓋,口腔底の局所解剖構造を説明できる. | |
2. | 口腔粘膜の特徴を部位毎に説明できる. | <F-2-(3)-1)> |
3. | 舌の構造と機能を説明できる. | <F-2-(3)-2)> |
4. | 構音器官としての口腔の形態を図示できる. | <F-2-(3)-6)> |
5. | 顎関節の構造と機能を説明できる. | <F-2-(2)-5)> |
6. | 咽頭と喉頭,および前頸部の局所解剖構造を説明できる. | |
7. | 頭頸部内臓の個体発生と器官発生を概説できる. | <D-2-(2)-1)> |
8. | 口腔・顎顔面領域の加齢による変化を説明できる. | <F-2-(1)-5)> |
9. | 舌と唾液腺の発生とその加齢現象を説明できる. | <F-2-(1)-6)> |
10. | 三叉神経系の中枢投射を説明できる. |
授業計画
回 | 大項目 | 中項目 | 内容 | 担当 | 到達目標 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 頭頸部の局所解剖学 | 顔 | 口唇と頬,表情筋,耳下腺,顔面の神経と脈管 | 北村 | 1 |
2. | 〃 | 口腔 | 総論,口腔前庭,口蓋 | 〃 | 1,2,4 |
3. | 〃 | 舌下部,舌,歯と歯肉に分布する神経 | 〃 | 1,3,4 | |
4. | 〃 | 口峡と咽頭腔・喉頭腔 | 口峡,咽頭腔,口蓋筋と咽頭筋,喉頭腔,嚥下 | 〃 | 4,6 |
5. | 〃 | 咀嚼筋隙 | 頭・顔面の筋膜,咀嚼筋隙とは,頬脂肪体,翼突下顎隙,翼口蓋窩 | 〃 | 1,6 |
6. | 〃 | 顎関節 | 構造総論,下顎窩,下顎頭,関節軟骨,関節円板,関節円板の機能的意義,関節包,関節腔,補強靱帯 | 〃 | 5 |
7. | 〃 | 頸部前面 | 区分,皮下,筋膜,オトガイ下三角,顎下三角,下顎後窩 | 〃 | 6 |
8. | 〃 | 顎口腔領域の加齢変化 | 口唇と頬,顎関節,口腔粘膜,舌,唾液腺,喉頭,咽頭 | 〃 | 8,9 |
9. | 〃 | 頭頸部諸器官の個体発生 | 鰓弓と頭頸部の骨格,筋,神経および内臓 | 〃 | 7 |
10-12. | 特別講義 | 三叉神経系の中枢投射 | 痛みの概念,三叉神経と痛み,求心線維の投射,咀嚼運動の神経機構 | 吉田 | 10 |
13-15. | 〃 | 頭頸部の臨床解剖学 | 顔面の筋の臨床解剖学 | 島田 | 1 |
成績評価の方法
評価は,大項目「頭頸部の局所解剖学」について筆記試験で行う.試験は3年次前期中に実施し,100点満点で60点以上のものを合格とする.大項目「特別講義」については,講義終了直後に講義内容をレポートにまとめて提出してもらう.レポートは5点満点で評価し,中項目「三叉神経系の中枢投射」については大項目「中枢神経学」の試験の点数に,中項目「頭頸部の臨床解剖学」については大項目「頭頸部の局所解剖学」の試験の点数に,それぞれ加算する.
再試験
1回のみ行う.
教科書,プリント,参考書
教科書:「人体解剖学(改訂第41版)」藤田恒太郎 著,1993年(南江堂)
教科書:「小口腔解剖学」上條雍彦 著,1962年(アナトーム社)
プリント:プリントを配付する.
WEBページ
連絡先
- オフィスアワー: 火∼金 16:15-17:45
備考
講義は水曜日の1・2・3時限目(5週のみ)に実施される.