微生物学実習
Microbiology Exercise
目的
食物と健康に纏わる微生物(細菌,ウイルスや真菌など)の性質とそれらによる疾病をよりよく理解するために,微生物の分離と培養方法,また同定方法などを実際に学生自身の操作で体験することにより,それらによる疾病の防止を理解する.また,微生物の環境への適応と薬剤耐性試験を実際に体験することにより,細菌の進化につき教授します.
注意
1)単位試験の成績評価は,原則各実習項目別に提出するレポートを全ての実習後に提出させ,それらについて担当教員が微生物学・食品衛生学の講義内容の理解度を評価します.また,実習中の態度や教員からの質問の受け答も評価対象とします.
2)本実習には多少の生物学的危険を伴います.計画を事前によく練りましょう.実習中には反応の待ち時間を有効に,また付き添い教員を充分に活用しましょう.
3)微生物学・食品衛生学の教科書を同時に参考にし,よく考えて実習をしましょう.各実習に30分以上遅れると出席と認められません.病気休暇や公休を考慮した上で,2回以上欠席すると単位を得ることができません.
目標
1. | 微生物学の講義で学んだ食物と健康に纏わる微生物(細菌と真菌)の生物学的特徴と同定方法薬剤耐性などとの関連及びそれらによる疾病防止策についての理解を実際に体験し,目に見える形で理解する. |
計画
1. | 一般微生物学実習に大切な事項,一般実験方法,必要器具について |
2. | 微生物の滅菌方法・消毒法の実際について |
3. | 空中細菌の測定法および集落観察 |
4. | グラム陽性菌の培養方法,培地作成と顕微鏡観察 |
5. | グラム陰性菌の培養方法,培地作成,集落観察とその顕微鏡観察 |
6. | グラム陰性・陽性菌,芽胞産生菌の集落観察とそれらの染色と観察 |
7. | グラム陽性菌の同定方法 |
8. | グラム陰性菌の同定方法 |
9. | 簡易同定システムによる腸内細菌の同定 |
10. | 生活環境における微生物の伝搬と適応現象 |
11. | 病院における感染症診断の現況 |
12. | 微生物の薬剤耐性の検査法 |
13. | 真菌の集落観察 |
教科書
講座で編集したテキストを配布する.以下の本を参照して下さい.
参考書:高木 篤監修 斉藤 肇ら編集「微生物学実習書」(医歯薬出版)
参考書:坂崎利一編集「図解臨床細菌検査」(文光堂)
参考書:山口英世 内田勝久著「真菌症診断のための検査ガイド」(栄研化学株式会社)
連絡先
大和 正幸 (633-7140),yamato@nutr.med.tokushima-u.ac.jp,栄養学科5F515室