2008年度 医学部 栄養学科 学部課程 栄養学科 — [必修]

治療食実習

Practice of Therapeutic Dietetics

教授・武田 英二, 非常勤講師・山上 文子

1単位

目的

患者に適した栄養補給を行うことにより,栄養状態を良好にして体力の増進を図り,疾病治癒を促進するための食事科学について学習する.長年に渡る食習慣を改善することは困難であるが,味付け法や調理法を具体的に受け入れられるかたちで指導することで容易に食習慣改善を図ることが可能になる.献立作成・調理実習を通じて栄養管理効率を上げることを学習する.

計画

1.一般食は,食事形態により流動食,軟食および常食に分けられる.一般食の栄養所要量については,「入院時食事療養における一般食を提供している患者の栄養所要量について」に沿って提供されている.入院時食事療養を算定すべき食事療養の基準では,「患者の年齢,病状によって適切な栄養量および内容の食事療養が行われる」こととされる.
特別治療食とは,「疾病治療の直接手段として,医師の発行する食事せんに基づき提供された適切な栄養量および内容を有する患者食」である.入院時食事療養を行う保険医療機関にあって,疾病治療の直接手段として,医師発行の食事せんに基づき実施し,特別食としての献立表を作成する.厚生大臣の定める特別食を提供した場合には,一定額の診療報酬加算が認められている.腎臓食,肝臓食,糖尿食,胃潰瘍食,貧血食,高脂血症食,痛風食,フェニルケトン尿症食,楓糖尿症食,ホモシスチン尿症食,ガラクトース血症食,治療乳,経管栄養のための濃厚流動食,無菌食および特別な場合の検査食がある.
2.患者食の分類と概要,調理上の注意点を理解する.
3.一般治療食(常食,軟食,流動食)の食品構成,献立作成と調理を行う.
4.特別治療食の分類と概要,調理上の注意点を理解する.
  • 塩分制限するときの食品構成,献立作成と調理
5. 〃
  • エネルギー制限するときの食品構成,献立作成と調理
6. 〃
  • 鉄,葉酸,ビタミンB12■強化するときの食品構成,献立作成と調理
7. 〃
  • エネルギー,タンパク質強化制限するときの食品構成,献立作成と調理
8. 〃
  • エネルギー強化,タンパク質制限するときの食品構成,献立作成と調理
9. 〃
  • アミノ酸制限するときの食品構成,献立作成と調理
10.特殊食品の種類,利用の目的を理解し,献立作成と調理を行う.
11.嗜好に対応した食品構成,献立作成と調理を行う.
12.経済的条件に対応した食品構成,献立作成と調理を行う.
13.患者の病態および状態に対応した食品構成,献立作成と調理を行う.

教科書

「治療食必携」(監修 名尾良憲,編集 藤本良昭),医歯薬出版株式会社

「食品成分表」(山口迪夫,監修)医歯薬出版株式会社

「糖尿病治療のための食品交換表」(日本糖尿病学会,編),文光堂

「糖尿病食事療法指導のてびき」(日本糖尿病学会,編),文光堂

連絡先

武田 英二 (2525,088-633-7093,takeda@nutr.med.tokushima-u.ac.jp),栄養学科棟512号室
オフィスアワー: 月曜日16時∼17時